NPO法人国際ボランティア学生協会公式ウェブサイト

会員の方はこちらから

>ID/パスワードを忘れた方はこちらから



京都府阿蘇海環境づくり活動

 京都府宮津市の阿蘇海にて2月24日から27日まで、学生107名と事務局1名で京都府阿蘇海環境づくり活動を実施しました。

 天橋立により宮津湾から隔てられた内海の阿蘇海では、富栄養化により、約15年前から牡蠣が大量増殖し、環境悪化が問題となっています。
 この問題に対し、カキ殻回収の一歩先、環境づくりへの「地域住民と共に活動し、阿蘇海環境づくり活動の深化に繋げる」を目標に掲げ、地域住民とのカキ殻回収イベントや中学生との意見交換会などを実施しました。

 開会式を開催し、京都府丹後広域振興局副局長の髙石佳文さんの「今まで地道に地元で活動していたことも忘れず活動に臨んでほしい」という言葉で活動が始まりました。

1702asokai_1

 カキ殻回収作業は宮津市の橋立茶屋付近、松露亭付近、与謝野町の阿蘇シーサイドパークの3か所で行いました。カキ殻をカゴに詰め、運び、回収車に詰め込むという作業です。

1702asokai_2

 初日は、前日までに京都府が重機で浅瀬に寄せてくださったカキ殻の回収・運搬をしました。2日かかると予想されていたカキ殻の山を約4時間で回収することができました。
 2日目は、与謝野町の山添藤真町長も駆けつけてくださり、当初予定していた水路のカキ殻回収だけでなく、カキ殻島の一つ分の回収作業にも取り組みました。

1702asokai_3

1702asokai_4

 また、回収したカキ殻を肥料として農園に散布する作業もしました。

1702asokai_5

 3日目は、地域住民に参加を募り「カキ殻クリーン大作戦in天橋立」としてカキ殻回収をしました。初めての試みにも関わらず、一般参加者97名が集まり、学生含め計201名でのカキ殻回収が実現しました。
1702asokai_6

 活動2日目、3日目には、カキ殻回収と同時に環境イベントでの発表や商品開発会議に参加しました。

 宮津市主催の「阿蘇海の日」事業の中で「阿蘇海のこれまでとこれから」というテーマで発表をしました。
 また、安全で美味しいイメージの定着を目指し、阿蘇海産の牡蠣を使った商品を提案する会議として「文珠産天然マガキ新商品開発プロジェクト」を開催しました。今後は、京都市内での定期的な会議を予定しています。

1702asokai_7

1702asokai_8

 与謝野町・よさの百年の暮らし委員会が主催する「阿蘇海の今と未来を共に知る聞く話す~トークセッション~」では、NPO法人丹後の自然を守る会と共同で、阿蘇海でのこれまでの取り組みについて発表しました。

 その後、与謝野町の「リフレかやの里」でNPO法人丹後の自然を守る会理事長の蒲田充弘さんに環境学習会を開いていただき、IVUSAの活動による成果について説明を受けました。
 また、地域の方と阿蘇海の環境問題について、意見交換しながら親睦を深められる機会して、交流会を開催し、行政や地域の方など245名に参加していただきました。

1702asokai_9

 活動最終日は与謝野町宮津市中学校組合立橋立中学校にて、中学生との意見交換会を開催しました。今回が初めての開催で、中学生73名とIVUSA学生が参加しました。
 中学生と大学生が環境保全や進路について意見を交わしました。

1702asokai_10

 閉会式では、丹後広域振興局宮津地域総務室副主査の松崎健児さんをはじめとする地元の方からご挨拶いただきました。

 本活動では、約60トンのカキ殻の回収、延べ121名の地域の方が交流会と「カキ殻クリーン大作戦in天橋立」にご参加いただきました。また、与謝野町の有限会社あっぷるふぁーむ、兵庫県篠山市のハンサム農園を含め、計5か所にカキ殻を引き取っていただきました。

 カキ殻を回収した場所の一部では、活動が始まる3年前から漁師の方々が目指しておられたアサリの養殖試験ができる砂地を取り戻すことができました。(同志社大学4年 神田 彩帆)

1702asokai_11

【プロジェクトマネージャーより】
 今回、カキ殻回収を行った空間でのアサリの養殖試験の実施など、カキ殻回収の先を感じることができ、次のステージに繋げることが出来たことを嬉しく思います。
 この活動はカキ殻回収を行うのが目的ではなく、地域の方々と共に活動を行い「地域の方々で続いていく京都府阿蘇海環境づくり活動」を作ることを目指しています。そんな日がいつか来ることを願い、今後の活動を後輩たちに託したいと思います。
 当日の活動はもちろん活動前の調整の段階から、京都府丹後広域振興局の皆様をはじめ多くの皆様のご協力があって、今回の活動を実施し無事に終えることができました。深く感謝いたします。(関西大学4年 板東 俊樹)