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>ID/パスワードを忘れた方はこちらから2月22日から25日にかけて、京都府宮津市の阿蘇海にて、学生102名と事務局員1名で京都府阿蘇海環境づくり活動を実施しました。
阿蘇海とは京都府宮津市と与謝郡与謝野町にまたがる、天橋立によって日本海の宮津湾から仕切られてできた内海です。近年、富栄養化が進んだことにより牡蠣が大量繁殖し、環境悪化が問題となっています。
このような状況に対し、本活動では回収量100トンを目指して牡蠣殻回収作業を実施するとともに、阿蘇海の環境づくりに対する取り組みを発表・共有する「阿蘇会フェア」を開催しました。
活動初日、今回の活動の拠点となる京都府宮津市文珠地区に到着し、作業場所である天橋立で開会式を行いました。開会式では、宮津商工会議所会頭の今井一雄さん、京都府丹後広域振興局の柴田一局長、松崎健児さん、 NPO 丹後の自然を守る会理事長の蒲田充弘さんに激励のお言葉を頂きました。最後に活動のリーダーからの言葉と共に円陣で士気を高めました。
今回の4日間の活動では、海の中に堆積した牡蠣殻を、道具を使ってほぐしカゴに入れて回収し、収集車へ積み込む作業をしました。
活動場所は、阿蘇シーサイドパーク、男山地区、天橋立の3カ所で、阿蘇シーサイドパークでは海洋高校の生徒43名と、男山地区では約40名の地元住民の方々と活動し、2カ所合計で約10トンの牡蠣殻を回収しました。
天橋立では牡蠣殻が大きな島のようになっている場所があり、隊員たちは効率の良い回収方法を提案し合い、少しでも多く牡蠣殻を回収できるよう取り組みました。その結果、約70トンの牡蠣殻を回収し傍目にも島が小さくなったことがわかるほどとなりました。
目標としていた「牡蠣殻100トンの回収」は達成できませんでしたが、 4日間で総計81トンの牡蠣殻を回収することができました。
活動2日目には、IVUSAと阿蘇海環境づくり協議会主催による「第2回阿蘇海フェア」を開催しました。約 300 名が参加したこのフォーラムは、多様な主体による阿蘇海における環境美化への取り組みの発表を通じ、住民・団体・行政が立場の違いを越えて、阿蘇海の環境改善を推進していくために実施されました。
最後には、与謝野町長の山添藤真さんと宮津市長の井上正嗣さんによる「美しく豊かな阿蘇海をつくり未来につなぐ」ために阿蘇海の環境づくりに協働していくという共同宣言が発表され、今後は自治体の枠を超えた環境づくりが推進される見込みです。
また、牡蠣殻回収作業に取り組む他、NPO 丹後の自然を守る会理事長の蒲田さんから、回収した牡蠣殻の再利用の取り組みについて説明を受けました。「学生のみんなの取り組みが、地域に変化を与えてくれている」と仰っていただきました。
交流会では、 24 名の地域の皆様が参加してくださり、地域の皆様と共に学生はリラックスした表情を見せていました。
活動最終日には、天橋立に初めて来たメンバーは天橋立ビューランドへ向かい、ご好意で展望台にのぼらせていただきました。
日本三景である天橋立の景色を五感で感じることで、牡蠣殻を少しでも多く回収し、地域と自然が共存できる持続可能な循環型モデルを構築するやる気が高まるきっかけとなりました。
閉会式では京都府丹後広域振興局企画総務部 企画振興室 副室長 芦田忠義様から、「100トンという数はもちろんですが、本来の目的である地域の人たちだけでなく他の人を巻き込んだ活動であり、私たちも感動した」と仰っていただきました。
本活動は2月25日付毎日新聞朝刊に掲載され、阿蘇海の富栄養化問題について発信することもできました。
最後に、活動に関わってくださった関係者のみなさまに心から感謝申し上げます。ありがとうございました。(立命館大学3年 奥野 智帆)