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>ID/パスワードを忘れた方はこちらから12月5日に滋賀県守山市赤野井湾においてオオバナミズキンバイの除去活動が行われました。この活動には、滋賀県職員1名、玉津小津漁業協同組合20名、京都大学院生1名、IVUSA学生52名が参加し、計72人での活動となりました。
オオバナミズキンバイは2009年に滋賀県守山市の赤野井湾で確認された外来水生植物です。オオバナミズキンバイの繁殖力は非常に強く、生育面積が5年間で約1,105倍にもなります。この繁殖力の強さにより、水質の悪化や漁業、琵琶湖特有の生態系への悪影響が出ており、2014年には環境省より特定外来生物に指定されました。
本日の作業は機械で除去することが難しく、人力による丁寧な作業が求められる小規模群落の除去を目的に活動を行いました。午前中に行われた、すこやか通り周辺の水路での除去は、船を用いての作業となりました。IVUSA学生は2~3人のグループに分かれて船に乗り、漁師の方々と連携しオオバナミズキンバイを引き上げました。
昼休みには、玉津小漁業協同組合の田中さんからいただいた柿と認定NPO法人びわこ豊穣の郷からいただいたお米、大根、サツマイモ、白菜、ネギ50人分を調理し、美味しく食べさせていただきました。ありがとうございました。
午後の作業前に滋賀県庁自然環境保全課の中井克樹さんからお話しいただいた「オオバナミズキンバイをできるだけ現場に残さず、丁寧な作業を行っていきたい」ということを心掛け、午後の作業は、午前に引き続きすこやか通り周辺の水路と赤野井湾内湖にて除去活動をしました。
オオバナミズキンバイはちぎれた茎からも再生し、その茎が別の場所に流れ着くことにより新たな場所での繁殖の原因となってしまうため、ちぎれた茎を丁寧に除去するほか、根元まで残さず取りきることが重要となります。午後に行われたすこやか通り周辺の水路での作業は、午前中の取り残しの仕上げを意識して行いました。
また、赤野井湾内湖では、胴長靴を履き、水の中へ入って作業が行われました。除去したオオバナミズキンバイは赤野井漁港に運ばれ、乾燥させるために広げました。乾燥させたオオバナミズキンバイは後日焼却処分されます。
今回の活動で、約5トンのオオバナミズキンバイを除去することができました。寒い中での作業となりましたが、全員が声を出し合い活気良く作業を行いました。作業前のオオバナミズキンバイが繁殖している様子と作業後を比べ、今回の活動への達成感と今後の除去活動への意識の高まりを感じました。
活動後の閉会式で中井さんからオオバナミズキンバイの現状とこれからの課題についてお話しいただきました。昨年、滋賀県庁によってオオバナミズキンバイの機械駆除が行われ、オオバナミズキンバイを減少させることができたものの、再発防止のためにはオオバナミズキンバイの小規模群落を発見し次第、人手により除去するといった作業が必要であることをお聞きし、オオバナミズキンバイがもたらす問題性と人力による作業の重要性を感じました。
閉会式での滋賀県庁自然環境保全課の中井克樹様からお話ししていただきました
今回の除去活動でオオバナミズキンバイの完全除去は達成できておらず、オオバナミズキンバイの繁殖力の強さを改めて痛感したとともに、定期的な除去活動の必要性が身に沁みました。しかし、完全除去という目標こそ達成できていないものの、過去の除去活動の成果は著しく、多くの地域の方々との連携と力があってこそだと感じました。この活動にご協力いただいた全ての方々に感謝申し上げます。今後もオオバナミズキンバイの完全除去へ向けて活動していきますので、ご協力よろしくお願いいたします。(立命館大学1年 渡邊 和果)
【プロジェクトリーダーより】
今回の活動の目的は南湖のオオバナミズキンバイを完全除去するための最初の一歩目にすることとしていました。そのため、何度もご一緒に活動をさせていただいている漁業組合の方々と協力し船上での作業を中心に行い、来年に向けてオオバナミズキンバイを残さないように丁寧に除去しました。
このオオバナミズキンバイの活動に協力していただいている行政、漁業組合の方々、地域NPOなどの様々な方々に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。今後ともよろしくお願いたします。(龍谷大学2年 西出 侑生)
【協力団体】滋賀県環境政策課、守山市環境保全課、認定NPO法人びわこ豊穣の郷、玉津小津漁業協同組合
※この活動は平和堂財団環境保全活動助成事業「夏原グラント」の助成を受けて実施しています。