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京都府阿蘇海環境づくり活動

 8月27日から29日にかけて、京都府宮津市の阿蘇海にて学生86名、事務局2名で活動を実施しました。
 阿蘇海は日本三景の一つである天橋立に隔てられた内海です。近年、富栄養化が進んだことによる牡蠣やアオサの大量繁殖したことで、環境悪化が問題となっています。

 活動1日目、学生86名事務局2名が今回の活動の拠点となる京都府宮津市文珠地区(天橋立の南側)に到着しました。

 午後から今回の活動に協力してくださる現地の皆さんとIVUSA学生で開会式を行いました。

 初めに、今回の活動のリーダーである京都今出川クラブ3回岸上篤樹が挨拶をしました。その後、NPO法人丹後の自然を守る会理事長の蒲田充弘さんやご好意で宿舎を提供してくださっている吉野茶屋の女将である平木志乃さんから阿蘇海における牡蠣殻の問題やIVUSAとの今までの関係に関してお話をいただきました。
 最後に岸上を中心に協力してくださる皆さんと一緒に円陣を組み、心を一つに作業場所へと向かいました。

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円陣

 開会式終了後、2ヶ所に分かれて文珠地区で作業を開始しました。1日目の作業は、海の中に堆積した牡蠣殻を、道具を使ってほぐしカゴに入れて回収することです。
 初めての作業で慣れないことも多かったですが、効率の良いやり方を共有することで次第に慣れ始め、約4時間の活動でおよそ9トンの牡蠣殻を回収することができました。

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牡蠣殻

 1日目の夜には、蒲田さんより阿蘇海の現状や課題、将来像についてご講演いただきました。学生にとっては新鮮なことが多く、たくさんの質問や意見が飛び交いとても充実した時間を過ごすことができました。お話の中に「皆さんの活動を見ていて、学生や若者に対するイメージが変わった」と仰ってくださり、活動に対する意欲がより一層強くなりなりました。

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講演会

 活動2日目は1日目に引き続き、同じ場所で作業を行いました。活動の目標である、牡蠣殻20トン回収を目指して元気な掛け声とともに作業を行いました。
通りすがりの観光客や地元の方々には「何かのイベントですか?」などと尋ねられ、活動を説明した後は、「熱い中、ご苦労様です。頑張ってくださいね」と激励の言葉をいただきました。

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活動風景

 2日間の作業で合計20.95トンもの牡蠣殻を回収することができました。この回収した牡蠣殻の一部は肥料として利用され、持続可能な環境モデルづくりに貢献します。

 牡蠣殻回収活動を終えた後、阿蘇海について学ぶために、船で阿蘇海内を一周しました。船内では蒲田さんに、阿蘇海内の海流に沿って牡蠣やゴミが堆積しやすい場所などについてお話をいただきました。自分たちが活動した場所についてより深く学ぶことができたとともに、最終日に行われる阿蘇海一周清掃に向け、漂着ゴミの現状について実際に見て、認識することができました。

 夜には2隻の船をお借りし地元の方との交流会を開催しました。交流会には、宮津市副市長の上田清和さんをはじめ、今までの活動に関わってくださった26名の方にお越しいただきました。

 地元で農業を営む小谷安博さんから、稲の育成における水の重要性やお米の味に関するお話の中で、「7月の活動のおかげで今年の稲は今までに比べて、びっくりするぐらいおいしいから収穫したのを是非食べてほしい」とおしゃっていました。地元の方々とIVUSA学生が阿蘇海に対する思いを語り合うことができ、とても有意義な時間でした。

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交流会の写真

 最終日は、阿蘇海を一周する清掃活動を行いました。上田さんをはじめ多くの地元の方が参加してくださいました。地元の方と学生が協力して実施することで、阿蘇海の環境づくりに対する地域の垣根を越えた協働体制の構築や、意識啓発につなげることが目的でした。活動中、これからの対策に向けて回収したごみのデータを取りました。たばこの吸い殻やペットボトルなど人間が出したごみがいかに多いかを痛感させられました。

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一周清掃の様子

 阿蘇海一周清掃のゴールである、阿蘇シーサイドパークに到着した際は、達成感もあり皆笑顔で盛り上がっていました。最後に市民の憩いの場である阿蘇シーサイドパーク清掃活動を行い、全ての活動が終了しました。

 閉会式では、活動企画当初からお世話になっている丹後広域振興局宮津地域総務室の松崎健児さんをはじめとする地元の方から感謝の言葉をいただき、リーダー岸上の言葉で活動を締めました。

 3日間の活動を終え、隊員全員大きなケガもなく京都駅に帰ってくることができました。天候や作業条件は決して良いものとは言えませんでしたが、地域の皆様のおかげで無事に活動を終えることができました。本当にありがとうございました。

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全体の集合写真