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東日本大震災復興支援活動2015

 3月8日から3月12日にかけて、東日本大震災復興支援活動2015を行いました。今回の活動場所は、宮城県亘理郡山元町、気仙沼市の二か所です。山元町では、地域のボランティアセンターに寄せられた農地の瓦礫を撤去するニーズ、気仙沼市では、東日本大震災の追悼式典の運営補助に取り組みました。

 3月8日、本隊に先駆け事務局員2名、学生5名が山元町に到着し、IVUSAが山元町で活動する際のカウンターパートとなっている「お寺ボランティアセンター(通称ボラセン)の拠点である普門寺にて本隊の活動の調整を行いました。

 また、東洋大学白山キャンパスでは当日勉強会が行われました。今回この活動に参加する学生51人が勉強会に出席しました。 IVUSAの災害救援の歴史、あるいは住宅、産業、防潮堤、復興格差、人口の転出転入等、訪れる現地の問題を知ることを目的に実施されました。また、自分たち自身が何かを知ろうとする姿勢を身に着けるため、小グループに分かれて当事者の立場に立って問題をどうとらえるか、自分たち学生にはその問題何ができるかを考えるワークを行いました。

 3月9日、活動2日目。学生51名の本隊が到着し、先発隊と合わせて事務局員2名、学生56名での活動を開始しました。初日の9日は午前中にフィールドワークを行い、その後、二つの地域ニーズのお手伝いをしました。フィールドワークでは、自動車学校跡、山元町立中浜小学校、JR常磐線坂元駅跡地や復興公営住宅などを見学しました。

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中浜小の見学

 フィールドワーク後、地域のニーズへのお手伝いとして、「山元ぐるりん会」という地域の方々で結成されたコミュニティの畑に残っている瓦礫を撤去する活動を行いました。畑には、震災以降ずっと草が生い茂ったままだったので、それらの根をきれいに取り除くこと、津波で流されてきた漂流物を土から撤去することが作業内容でした。

 日本財団の方々との共同作業によって、畑は約400坪程度の広さでしたが、約200坪の作業を完了することができました。今後は別のボランティア団体へと継続することになっています。二件目のニーズは、山元町沿岸部に位置する青巣神社での植樹作業でした。

 青巣神社では、津波で一度そのほとんどが流されてしまいました。しかし、地域の方々やボランティアの方々の想いから、この神社を少し打つ再建する動きが始まり、今では参道の周りに草木が植えられています。今回IVUSAでは、参道付近の植樹作業を行いました。

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畑での作業風景

 夜は、IVUSAから、普門寺におかれている東日本大震災の遺灰に対し、献花させていただきました。普門寺のご住職にもご協力いただき、隊員ひとりひとりが献花を通じて、追悼の意を表することができました。

 3月10日、活動3日目。本日は朝から山元町を離れ、気仙沼へと向かう道中にフィールドワークを行いました。まず一か所目は、名取市にある閖上さいかい市場。学生は震災当時のお話を聞く中で、メディアを通じて知ること以上に、大震災当時や、現在の被災地の様子について知ることができました。

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閖上市場の様子

 次に向かったのは松島さかな市場。この市場は、東日本大震災の津波により一階部分が浸水しすべての機材が破損したそうです。その後、語り部の方にご紹介いただいた石巻では、津波で被災した地域を回り、震災遺構として語り継いでいきたいと地域の方々が震災当時のまま残している中華料理屋さんの跡地でお話を伺いました。

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語り部さんのお話

 3月11日活動4日目(最終日)。この日は、気仙沼市追悼式典のお手伝いをさせていただきました。追悼式典が行われる気仙沼市総合体育館の駐車場、臨時駐車場が設置される条南中学校、気仙沼西高校での駐車場整備、大島開発総合センターでの献花場受付をお手伝いさせていただきました。朝から雪が積もるほどの寒い日でしたが、寒さに屈せずに作業を行うことができました。

 午後2時46分。東日本大震災から4年目の瞬間を迎えました。駐車整備に従事していたIVUSA学生も、追悼式典に部分的に参加させていただきました。私たちが出席した時刻には、献花が行われていました。献花を見て、ご遺族の方々の分だけ、ドラマがあるのだと実感したという隊員もいました。

 式典終了後、IVUSAも献花させていただきました。白いカーネーションの花にそれぞれの想いを込めて、献花させていただきました。「東北のために何かしたい」という気持ちが素直にこみあげてきたという声を隊員から頂きました。撤収作業後、宿泊場所に戻り、活動の振り返りや、東日本大震災に対して自分やIVUSAに何ができるのだろうかを班ごとに話し合う時間が設けられました。

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献花の様子

 3月12日、午前10頃に出発し、午後7時頃に隊員は無事に東京新宿へと到着しました。(京都大学4年 吉岡 渚)