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静岡県西伊豆町活性化活動

 2月19日から22日まで、学生101名と事務局員1名で静岡県西伊豆活性化活動を実施しました。

 この活動のそもそもの始まりは、一昨年におこったゲリラ豪雨の際にIVUSAが復旧活動のボランティアに参加したことです。そこからIVUSAと西伊豆町の関係が生まれました。

 今回の活動では「黄金崎の松林の再生活動」が主な活動です。これは、2011年に起こった台風11号による塩害被害を受け、立ち枯れの危機にあった松林を地域の方と学生で再生させようという意図から動いた活動です。

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 活動初日、昼ごろに西伊豆町に到着し、まちづくり協議会の藤原國雄さんからお話を聞き、すぐに活動に移りました。
 初日ということで、行った作業は翌日に向けての下準備。松の木周辺の整備、着火木材、炭焼き用の木材の収集など行いました。初めて使う道具で、尚且つ角度の厳しい作業場所でしたが、元気のある参加者らは一生懸命作業に取り組みました。
 その日の夕食には、地元の方にいただいたかぼちゃを使った料理もあり、おいしくいただきました。

 活動二日目は黄金崎、第一再生休耕田、千年の森、太田子海岸の4つの現場に分かれて活動しました。

・黄金崎では炭焼きや林床の整備、ツワブキの移植。
・第一再生休耕田では、薪割りや炭焼き。
・千年の森では、森にある木材を拾い集め、景観保全と森の整理。
・太田子海岸では、海岸の清掃、潮かつおうどんの調理。

 以上のことを、それぞれの場所で行いましたが、地域の方との距離が近く、実際に個人と個人でお話しさせていただくこともあり、作業内容についてだけではなく、「昔はこんな感じだったけど、今はこんな感じだよね」といった話や、IVUSAに関してどのような思いをお持ちになっているかなどのお話なども伺うことが出来て、西伊豆の声を直接聞くことが出来るとても貴重な活動でした。

 夕食後には、認定NPO法人緑の地球ネットワーク(GEN)の事務局長である高見邦雄さんからGENの活動についての講演をしていただき、隊員はその講演内容について分からない点を質問し、西伊豆についての知識の共有、意識の共有をしました。

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 活動三日目は、今回の活動の軸である黄金崎の松林の再生活動を全員で行いました。地元の高校生や役場の方と一緒に作業をし、昼食も一緒にとって盛り上がっていました。

 昼からの作業では、これまでの知識、チーム力を生かして、今回の隊のコンセプトでもある“蓄積”を表すかのように作業が円滑に進み、結果として68本の松の木を手当てすることが出来ました。
 活動中に地元の方とお話をする機会があった学生は、「西伊豆は若者が少なく、学校、職場も少ない。だから、西伊豆に生まれたとしても外に出ざるを得ない。そして、そのまま帰ってこなくなる。それに、ただでさえ若者が少ないのに、その若者が出会う場がないから結婚もせず、子どもが生まれないんだよ」と少子高齢化の原因の一つともいえるお話を伺い、このような大きな問題にIVUSAがどのように立ち向かえるかを考えるよい機会となりました。

 活動四日目は、地元の方々を招いての交流会を行いました。
 西伊豆について話をしていただき、それに対して学生ならではの考えをぶつけ、学生だからできる事、やってほしいことなどを話し合いました。

 また、前日のうちに西伊豆の写真にキャッチコピーをつける広告の予選で勝ち上がったものを発表し、そこで一位に選ばれた「西伊豆の夕日、あなたはだれとみたいですか?」というキャッチコピーを筆頭に他のものも役所に提出され、今後の西伊豆のPRに使っていただきます。

 藤原國雄さんはIVUSAとの繋がりを大切にしていてくださっていて、活動を重ねるごとに地元の方もIVUSAを認めつつあるというお話を伺い、また、認めていただいているからこそこれから一緒に、出て行ってしまった若者や移住してくる人たちを惹きつけることが出来るようなまちづくりを一緒にして欲しいと言っていただきました。

 今回の活動で、私たちIVUSAが西伊豆に残してきたものは目に見えるものもありますが、何年か先に見えてくるものもあります。人と人との繋がりも目には見えません。
 しかし、そういった繋がりこそが大切なのではないかと感じる活動でした。

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 最後になりましたが、今回の活動においてご協力をいただきました、西伊豆町の方々、IVUSAのOB・OG、関係各所の方々に深くお礼申し上げます。ありがとうございました。(京都産業大学1年 谷田 輝)