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>ID/パスワードを忘れた方はこちらから11月16日、滋賀県守山市赤野井湾にて、ヨシ群落内に繁殖した外来水生植物オオバナミズキンバイの駆除活動を行いました。取り戻そう再生赤野井湾主催で行われ、参加者は玉津小津漁協協同組合14名、NPO法人びわこ豊穣の郷5名、IVUSA学生40名、一般参加者1名の計60名でした。
オオバナミズキンバイは中南米産の外来水生植物で、2009年に琵琶湖湖岸の守山市赤野井湾で確認されました。たった2cmのちぎれた茎からでも猛スピードで成長するという強い繁殖力を持っているため、わずか3年間で琵琶湖南湖(琵琶湖大橋以南)全体に分布を広げ、繁殖面積も100倍以上に拡大していることが報告されています。
また、ヨシ群落にオオバナミズキンバイが繁殖することで、琵琶湖名産のニゴロブナの産卵場所が減り、漁獲量が9割も減っているという被害も明らかになってきています。そしてこの話は琵琶湖だけでなくその下流の淀川水系にも繁殖範囲が広がった場合、被害の拡大も懸念されるため、初期段階での駆除を行っていく必要があります。
今回の活動では、湖上班、船上班、陸上班の三つの班に分かれて作業を進めました。
湖上班は、胴長靴を履いて琵琶湖本湖側のヨシ群落に入り、ヨシの周りに大量に生えているオオバナミズキンバイを抜いて漁船に運んでいく作業です。
船上班は、漁船によるオオバナミズキンバイのピストン輸送を行いました。重機での引き揚げで使用する網を船上に広げて、湖上班から受け取ったオオバナミズキンバイを敷き、赤野井漁港までピストン輸送を行いました。
陸上班は、重機でオオバナミズキンバイを引き揚げ、天日干しにする作業を行いました。網を重機で引き揚げることで素早く陸上へ引き揚げ、それを天日干し出来るように広げます。
本来は前回の活動で天日干しをして乾燥したオオバナミズキンバイをゴミ袋に詰めてごみ処理場に運ぶ予定でしたが、活動前日に雨が降って湿ってしまったためこの作業は次回に持ち越しとなりました。
今回の活動で重さにして6トンものオオバナミズキンバイを駆除することができました。
今回は5回目の駆除活動でIVUSAから40人の学生が活動してくれました。初めての人も多く、オオバナミズキンバイについて実際の目で知ってもらったことで今琵琶湖に起きている問題がどれだけ深刻なのか分かったと思います。今回の経験を元に周りの人に今の琵琶湖の現状を伝えていって欲しいと思います。
また今回、玉津小津漁協協同組合さんやNPO法人びわこ豊穣の郷さんと会話していく中で、「若さと元気さが凄く良い」と、「もっとこうしたら今より良くなるのに」と、言われていたことが強く印象に残りました。学生だからこそ出せる力があると実感すると共に、まだまだ未熟で改善するところが沢山あるのだと分かりました。現状に満足することなく、より良い活動を行える方法をこれからも考えていきたいと思います。
最後に、私たちはIVUSA会員をもっとたくさん呼んで活動したいと思っています。今回、衣笠クラブのクラブ長や会員の方が参加して下さいました。これからは滋賀エリア以外からの参加者ももっと増えるように呼びかけをしていきたいと思います。そして、より多くの人を巻き込んで滋賀県だけでなく関西全体で取り組むことで、早期にこの問題を解決出来るようにしていきたいと思います。(立命館大学1年 藤井 和希)
【プロジェクトリーダーより】
「もっと活動頻度を増やしたい」
第1回オオバナミズキンバイ除去大作戦(10月12日)の時にたくさんの後輩たちから出た意見から今回の活動が始まりました。
わずか1ヶ月間の短い準備期間でしたが玉津小津漁協協同組合さん、NPO法人びわこ豊穣の郷さんらとこれまでの経験の積み重ねによって、お互いに持っている力の活かし方、作業効率をあげるための必要な道具もわかり、想定を遥かに上回る6トンものオオバナミズキンバイを除去する事ができました。今回は2回生を中心に運営を行いました。まだまだ細かい反省点や改善点は多々ありますがたくさんの地域の方々と一緒に行う第2回オオバナミズキンバイ除去大作戦(12月22日)に向けても大きな手応えを得ることができました。
後輩たちは作業の過程で、琵琶湖上を漁船で移動したり、胴長でヨシ群落に入るなど、琵琶湖の自然環境に深く触れることができました。また漁師さんや環境団体の方との交流を通じて、琵琶湖の環境について多くのお話を聞くことができました。今回の活動を通じて、オオバナミズキンバイだけでなく、琵琶湖全体の環境に関心をもつきっかけになってくれれば幸いです。
今回の活動で、6トンものオオバナミズキンバイを除去することができましたが、活動参加者の誰もがそれ以上に増殖していくオオバナミズキンバイを目にしており、除去を上回る勢いでオオバナミズキンバイが繁殖しているとう事実を受け止めました。
琵琶湖は近畿1,400万人の飲み水を供給しています。すでに南湖全体に生息範囲を広げているオオバナミズキンバイが、琵琶湖から流れ出る唯一の河川である大津市の瀬田川でも目立ち始めており、この状況が続けば淀川水系全体に広がる恐れがあります。この問題は滋賀県だけの問題としてではなく、近畿全体の問題として取り組む必要があると感じています。12月22日(日)に行われる第2回目オオバナミズキンバイ除去大作戦はIVUSAだけでなく多くの参加者を募集しています。琵琶湖で何が起きているのかを自分の目で見に来て頂きたいと思います。(立命館大学4年 中村 俊哉)