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>ID/パスワードを忘れた方はこちらから 2013年10月12日に滋賀県守山市赤野井湾にて第1回オバナミズキンバイ除去大作戦を行いました。これはNPO法人びわこ豊穣の郷(事務局)、小津学区自治会長会、新守山川を美しくする会、玉津小津漁業協同組合、夢・びわ湖、守山市、IVUSAが共同して行っているプロジェクトで、公益財団法人平和堂財団の夏原グラント の助成を受けて行われました。
今回はIVUSAの学生39名を含む120名が参加しました。
オオバナミズキンバイという中南米産の外来水生植物が2009年、琵琶湖湖岸の守山市赤野井湾で確認されました。たった2cmのちぎれた茎からでも成長するという強い繁殖力を持っているため、わずか3年間で琵琶湖南湖(琵琶湖大橋以南)全体に分布を広げ、繁殖面積も100倍以上に拡大していることが報告されています。
オオバナミズキンバイは水面を覆い尽くすだけでなく、水中に隙間なく根を張るため水の流れが滞り、水質悪化を引き起こす恐れがあります。また、琵琶湖名産のニゴロブナの産卵場所であるヨシにまでオオバナミズキンバイが繁殖し、漁獲量9割減という被害も明らかになってきています。さらに、琵琶湖だけでなくその下流の淀川水系にも繁殖範囲が広がった場合には被害の拡大も懸念されるため、初期段階での駆除を行っていく必要があります。
船上で活動していた方々は漁師の方とオオバナミズキンバイが繁殖している現場まで移動し、船上からオオバナミズキンバイを人力で引き揚げました。その後、陸揚げする作業を行った後、一度軽トラックに積み込天日干し場所である漁港まで運びました。今回の活動で刈り取り面積約80㎡、重量にして約6トンのオオバナミズキンバイを除去する事が出来ました。
赤野井漁港で活動した方々は軽トラックで港に運ばれたオオバナミズキンバイを荷台から降ろし、地面に均して天日干しにする作業を行いました。加えて、9月中頃に陸揚げされ干されていたオオバナミズキンバイをゴミ処理場で焼却する為にポリ袋(約160袋)に詰めました。
今回は10月に行われたにも関わらず、強い日差しもあり皆さん汗だくになって活動されていました。漁協さんや環境団体、一般参加者の方々ともお話する機会があり、他愛のない話から、このオオバナミズキンバイの問題に関する話まで、琵琶湖の周辺環境やそこに棲む生物に関するお話も聞かせてもらうことができました。そのお話の中でも私たちがまだ知らなかった琵琶湖の環境の事実や現状があり、この問題をもっと深く知ることが必要だと感じさせられました。
船から陸へオオバナミズキンバイを揚げる作業中、漁師の方が「オオバナミズキンバイの繁殖力に駆除が追い付かない」とおっしゃっていました。実際、船上の参加者が陸地だと思っていたところがオオバナミズキンバイの集合であることが幾度かありました。参加者は事態の深刻さに皆さん驚かてれおり、もっと大がかりな活動にして一気にオオバナミズキンバイを除去しようという声もあがっていました。今回の活動がきっかけに、琵琶湖のこと、環境問題を滋賀県民だけでなく、近畿に住む方々にも関心を持っていただける様に情報発信をしていきたく思いました。
12月22日にも第2回オオバナミズキンバイ除去大作戦を実施するとともに、市民に対してオオバナミズキンバイによる生態系、水質への影響や除去の必要性を呼び掛けていく予定です。
最後に今回の第1回オオバナミズキンバイ除去大作戦の開催にあたり協力してくださった、NPO法人びわこ豊穣の郷、玉津小津漁協共同組合、杉江自治会、新守山川を美しくする会、株式会社積水化成品工業、守山市、滋賀県、一般参加の方々の皆様にお礼を申し上げます。ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。(立命館大学1年 辻中 伸)
【プロジェクトリーダーより】
4月28日に始まったときは17名(IVUSA学生14名)だったオオバナミズキンバイ駆除活動も10月12月は120名(IVUSA学生39名)となりました。この半年間を通じて行政、環境団体、漁業組合、企業、一般市民が琵琶湖の問題に対して行動を起こし、お互いに連携しあって取り組め、それに伴いオオバナミズキンバイの問題についての関心も高まってきたと実感できました。
またオオバナミズキンバイの駆除活動は手作業を必要とするので重労働となります。その点で学生の若さが発揮でき、学生なりに琵琶湖の環境問題に取り組む事が出来たと思います。
後輩たちは活動終了後に漁協組合の方に船で湖上に連れて行ってもらい、オオバナミズキンバイによって通れなくなってしまった水路やオオバナミズキンバイによって完全に覆い尽くされたニゴロブナの産卵場所であるヨシ群落などを自分たちの目で見ました。それを見た後輩たちは、もっと活動の頻度を増やしたほうがよいのではないか、もっと効率よく駆除できる方法があるのではないか、もっと多くの地域の方を巻き込んでやるべきではないのかなどの声も上がっていました。
問題の深刻さを実感し、解決策を自分たちで考える姿が見られ、後輩たちが来年以降もこの問題に対して取り組んでくれている姿が目に浮かびました。この「成果」は今回の活動に留めることなく、今後の活動へも繋げて行きます。
最後に第1回オオバナミズキンバイ除去大作戦にあたり協力してくださったオオバナミズキンバイ除去大作戦プロジェクトの皆様、参加してくださった全ての皆様に重ねて御礼申し上げます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。(立命館大学4年 中村 俊哉)