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>ID/パスワードを忘れた方はこちらから 金華山は宮城県牡鹿半島の東側に浮かぶ島であり、最高点は445m、平地はほとんどなく、手つかずの自然が多く残されています。また、恐山、出羽三山と並び、「奥州三霊場」に数えられ、「三年続けてお参りすれば一生お金に困ることはない」という言い伝えがあるように、1,250年前から日本最初の産金として有名です。
そんな金華山は、2011年3月11日に発生した東日本大震災の震源地に一番近い島でもあります。激しい揺れと津波による被害、また、同年9月21日の台風15号による被害と相まって、複合災害の被災地となりました。
そこで9月3日から8日までの6日間、90名の学生とIVUSAのOB1名、事務局員2名、財団関係者6名の計99名が金華山で活動を行いました。私たち学生はIVUSAらしい復旧活動をしようと心に決め、現地に向かいました。
9月3日の夜に関東組、関西組が出発し、9月4日のお昼前には全員到着し、お昼過ぎから作業に取り掛かりました。金華山では貯水槽の土砂撤去、金華山にある黄金山神社の参道の整備を行いました。貯水槽にたまった約2トンの土砂撤去は途方もない作業でした。午後からの約4時間の作業だったものの、土嚢袋約3,000枚弱もの土砂を撤去し、夕食後には宿舎として利用させていただいた金華山黄金山神社の権禰宜(ごんねぎ)日野篤志さんから震災当時のお話をいただきました。
9月5日、作業の効率を掴んでいる学生が多くいるので、スムーズに作業に入ることができました。なかなかゴールが見えない作業に学生たちの表情からは笑顔が消えていました。そんな中、「いくぞー!」と大きな掛け声が聞こえてきました。このかけ声に約65名の学生たちは「っしゃあ!!!」と返答。学生に活気が戻り、述べ土嚢5,000枚以上の土砂を撤去することができました。
翌日も途方もない作業が続くのは全員が知っていましたが、作業最終日だから全力を尽くそうと全員が心に強く想い、寝床に就きました。
9月6日は、先日参道で整備していた学生も加わり、全員で貯水槽の作業を行いました。初めから掛け声が響き渡り最後の最後まで声をからさず頑張りました。結果として、最後まで土砂を取り除くことはできませんでした。しかし、日野さんからの「ありがとうございます」の一言が私たちの胸に響き、「 学生は微力だが無力ではない」と実感することができました。
貯水槽の中の土砂を全て取り除くことはできませんでしたが、全日程で土嚢に入れた土砂は1万袋以上になりました。今回の活動の目標は「金華山でIVUSAらしい復旧支援活動をする」でした。9月7日のお昼、金華山を去るぎりぎりまで、できる限り作業を行いました。
結果的に、黄金神社の表参道の修復を終わらせることができました。それは紛れもなく、「絶対に最後まであきらめない」という、ひとつの「IVUSAらしさ」であったと言えます。これからも様々な被災地に赴き、IVUSAらしい救援活動を行っていくのだと90人で誓った活動でした。(立命館大学3年 北村 優季)