NPO法人国際ボランティア学生協会公式ウェブサイト

会員の方はこちらから

>ID/パスワードを忘れた方はこちらから



三重県熊野市花火大会活性化活動

 8月13日から19日(先発隊8月13日?15日、本隊8月15日?19日)まで三重県熊野市で熊野大花火大会活性化活動を行いました。

 熊野大花火大会は、300年以上の伝統を誇り、その起源はお盆の初精霊供養に簡単な花火を打ち上げ、その花火の火の粉で灯篭焼を行ったのが始まりといわれています。熊野市での花火大会における運営側の市役所や観光協会の方の負担がとても大きいという問題を解決するために、IVUSAでは「大会運営を盛り上げる」「地元の方々との、一歩踏み込んだ関係を作る」という二つの目的を掲げて、学生95名、OB1名、事務局2名、合計98名で熊野市へ向かいました。

 具体的には、花火を観覧することができる七里御浜海岸を中心に会場設営や清掃活動を行いました。気温が非常に高いなかでの作業でしたが、こまめに水分補給や塩飴を食べることで熱中症対策をしながら与えられたニーズを達成し、新たに追加されたニーズにも取り組むことができました。

201308kumano_1
海岸での作業の様子

 最初の2日間は、花火大会の事前準備として班ごとに細かく分かれて、花火師さんとの連携作業、駐車場設営のための草刈り、海岸での浜席の設営作業、花火大会で配布される大会グッズの袋詰めなども行いました。全体がまとまっての作業ではありませんでしたが、一人ひとりがどこに人が足りていないかなどを考えながら自分から作業を見つけて行動できました。

201308kumano_2
二日目の作業

 花火大会当日の8月17日は、朝から各班に分かれて花火会場での観光客の誘導、大会運営資金の募金活動、シャトルバス乗り場での誘導を行いました。今年は土曜日の開催ということもあり、例年の来場者数である18万人より多い約20万人の観光客で賑わいました。

201308kumano_3
花火は素晴らしかったです

 また、最終日に観光協会の方をお招きして行われた意見交換会では、当日関わらせていただいた運営の良かった点や改善点を学生からの目線で考え、意見を述べさせていただきました。またそれに対しての観光協会の方の感想をその場で聞かせていただくことができ、今後の活動につながる貴重な時間を過ごせました。

201308kumano_4
意見交換会の様子

 今回のプロジェクトでは、与えられたニーズにしっかり応えることができ、全員が熊野のために活動し、熊野市の方との絆もより一層深くなったと感じられたので、当初掲げていた二つの目的を成し遂げることができました。(滋賀大学2年 岸本 理梨香)

【プロジェクトリーダーより】
 熊野大花火大会は年々来場者数が増加する一方、花火大会の運営側であるスタッフの方々の高齢化が進んでいるという現状があります。そのため、今回の隊では学生の若さと熱意によって若者の人員不足を補うことで、300年も続く花火大会の伝統を守り、後世へと繋げる一助になりたいとの思いで活動に参加しました。

 私たちが掲げる活動のコンセプトは、「熊野に届ける元気玉」でした。
 これは、活動を通じて私たちの元気を熊野に届けること。そして、全国から訪れる観光客の好意を、募金活動等を通じて運営側に届ける橋渡し的な役になるという意味が込められています。

 本隊の活動期間は8月15日~19日の4泊5日、先発隊の16名は13日から熊野入りし、活動期間は1週間にも及びました。それに加えて早朝から夜遅くまで及ぶ作業もあったのですが、地元住民の方々の「がんばってね」という声援や、地元の特産品の差し入れなど心温まる応援により、活動を無事に終えることが出来ました。

 職員の方からは「また来年も大人数でぜひ来てください」とお言葉をいただきました。また、大変ありがたいことに花火師の方の補助作業にまで関わることができ、「本当にきびきび働いてくれた」と学生を評価する声もいただきました。これも、毎日作業行程に変更が出る中でも、参加者が不満や疲れを見せず対応し、一生懸命取り組んでくれた成果だと思います。

 将来の花火大会の運営を担う上で、参加者から「地元の高校生と一緒に活動してみたい」という声も出ました。私たちはボランティアとして運営をお手伝するとともに、地元の人たちと運営を繋げていく必要があります。何のしがらみもない学生だからこそ、色んなことに挑戦して、地域の住民と協力して体制を築くことだってできるはずです。そのために、まずは運営側や地元の人々の信頼を得ることが大切であり、今回がその先に続く道を切り開くきっかけになれたのなら幸いです。

 今回の熊野市大花火大会にて、来年以降の花火大会への活動費の募金に協力していただいた参加者の方々をはじめ、この度のプロジェクトに参加した私たちIVUSA会員の活動写真を一つ一つのピースとして、一枚のモザイクアートを制作しました。モザイクアートは一つの写真だけでは完成する事ができません。これだけの作品を作るためにも多くの人の協力が必要です。花火の運営も一人だけでは決して出来ないと思います。しかし、みんなが協力して支え合ってこそ出来ることだと思います。来年以降の花火大会も、このモザイクアートの様になればと思います。

?201308kumano_5

 最後になりましたが、この活動を支えて下さった全ての方々へ、この場をお借りし、厚くお礼申し上げます。(立命館大学4年 山口 絵里奈)