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岡山県備前市日生諸島活性化活動

 9月6日から9日の4日間、IVUSA学生73名、事務局1名の計74名で活動しました。

 岡山県備前市にある日生諸島では、漁業が盛んでありながら高度経済成長期に海が汚れ、一時魚が姿を消しました。これらを長年に渡って解消してきた漁師さんたちの取り組みは大きな成果を残しており、人手が加わることにより生物生産性と生物多様性が高まった「里海」のトップランナーとして注目を集めてきました。

 一方で、少子高齢化が進む現状で、里海保全活動の人手不足が課題となっています。
 そこで18回目となる今回は、過去17回に引き続き、「住民参加型の里海のテーマパークを作る」という目的のもとで、里海保全を軸に活動しました。

 初日は、頭島の外輪海水浴場の清掃活動から始まりました。海水浴場のごみを減らすことで里海保全に貢献するだけでなく、翌日に行われる「頭島あかりまつり」のIVUSA出店ブースで使用するマイクロプラスチックを回収しました。

 清掃活動後は、班ごとに分かれて頭島の散策と、頭島あかりまつりの前日準備をしました。頭島の散策では、4日間活動する日生諸島の名所を回ることで雰囲気や魅力を肌で感じることができました。頭島あかりまつりの前日準備では、地元の方々と協力して作業することで人の温かさに触れ、より一層団結力が高まりました。

 2日目は、2つのグループに分かれて午後から行われる頭島あかりまつりの準備をしました。会場準備を行ってグループでは、頭島あかりまつりの象徴である行灯を設置したり、テントや電源の設営など運営のために必要な設備の準備を進めたりしました。頭島あかりまつり実行委員長の片倉さんをはじめとした、多くの地域の方と協力して準備を進めることで、午後の本番に向けてモチベーションを高めあうことができました。

 もう一方のグループでは、IVUSA出展ブースの準備を行いました。より多くの方に来ていただけるように、ポスターや看板の作成作業に励みました。作成作業を通して、学生間の連帯感も高まりました。

 午後は頭島あかりまつりが開催され、IVUSAが出展した綿菓子販売ブースと、里海保全啓発を目的としたスノードーム作成ブースには累計262名の方にご来場していただきました。
 里 海保全を目的としたブースを担当していた学生に対して、地元の方から「すごくいい活動をしているね」というお言葉をいただきました。
さらに、スノードーム作成を通して地元の方との交流を楽しむだけでなく、里海保全について共に考える機会を得ることができました。

 3日目は曽島にて清掃活動を行いました。
 60メートルほどの海岸を地域の方と共に清掃し、約2時間の活動で可燃ごみ98袋、不燃ごみ10袋、粗大ごみ30袋相当を回収しました。

 午後は、3つのグループに分かれて、アマモの種選別、ひなせうみラボの草刈り、牡蠣の養殖作業のお手伝いに励みました。

 夜に行われた交流会では、作業時にお世話になった漁師の方々や、頭島あかりまつり実行委員会の方々を招いて会話やゲームを楽しみ、親睦を深めました。
 日生の新鮮な海の幸が食卓を囲み、日生の魅力をより感じることができました。

 活動最終日となる4日目は、お世話になった宿舎の清掃を行いました。「来た時よりも美しく」をモットーに、全員で取り組みました。

 午後は、3つのグループに分かれて、日生の抱える課題解決に向けたワークを行いました。それぞれのグループで「日生の観光戦略」「年間を通して関わることができる事業計画」「日生の漁業の未来」について考えました。
 観光戦略について考えた学生からは、「日生ならではの強みを活かした戦略を立てたい」「持続的に観光を発展させることのできるものを考えていきたい」のような意見が挙げられました。

 ワーク終了後は活動最後の班ミーティングを実施し、閉会式を行いました。
 活動するにあたってお世話になった備前市農政水産課の森谷さんからは、「4日間で大きな怪我をする人がいなくて安心している。また次回も引き続き日生の活動に参加してほしい」とのお話をいただきました。

 今回は海岸清掃に加えて、頭島あかりまつりへの参加や漁業作業の手伝いなど、幅広い視点で里海保全について考えることのできる活動となりました。

 また、4日間の活動を通して、日生諸島の魅力や地域の方々の想いを改めて知ることができました。今後も、日生諸島のさらなる発展のために「住民参加型のテーマパークを作る」ことを目指して活動していきます。

 最後に、活動実施にご協力いただいた全ての皆様、誠にありがとうございました。(龍谷大学2年 近藤 陽人)

※清掃活動に関しては、日本財団「海と日本PROJECT」の助成を受けて実施しました。