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沖縄県戦没者遺骨収集活動

 3月13日から18日までの5日間、 IVUSAの学生42名、沖縄学生6名、事務局1名の計49名が参加しました。

「南方で戦死したおじいさんの遺骨を持ち帰りたい」というあるIVUSAの学生の一言から、沖縄県戦没者遺骨収集活動、通称「沖縄隊」の活動が始まりました。第二次世界大戦末期に行われた沖縄戦では多くの住民が巻き込まれ、今でも多くの戦没者のご遺骨が眠っています。
 沖縄隊では戦没者を陽の下にお迎えすること、また、高齢化したご遺族に代わり遺骨収集の担い手になることを目指し遺骨収集活動に取り組んでいます。

 初日は関東、関西の学生が那覇空港で合流し、糸満青少年の家に移動しました。宿舎では平和学習や遺骨収集を行う意義について考えるワークを行いました。

 2日目には平和学習のため平和祈念資料館とヌヌマチガマを訪れました。平和祈念資料館での見学後、戦争体験者の上原美智子さんから当時の状況についてお話を伺いました。
 上原さんはお話の中で、「戦争は2度と起こしてはいけない」と繰り返していました。戦争を実際に体験した方の言葉だからこそ、どんな理由であれ戦争を再び起こすことがあってはいけないのだと強く感じました。
 ヌヌマチガマでは隊員のライトを消し、ガマ内の暗闇を体験しました。暗さに驚くとともに寒く湿っていて、過ごしやすいとは言えないガマの中で人が生活していたこと、病院として利用されることもあったという事実に戦争の恐ろしさを感じました。

 3日目から5日目は、ひめゆりと摩文仁に分かれて遺骨収集活動を行いました。
 ひめゆりでは、ご遺骨をお迎えしやすくするために大きな岩を運びました。また、骨片を見落とさないために土をふるいにかける活動をしました。
 摩文仁では今後の活動のためごみ拾いなどの環境整備を行ったのち遺骨収集活動を行い ました。ガマや植物の根元から多くのご遺骨や遺留品が発見され当時の人々がそこで生きていたのだということを実感しました。
 5日目には慰霊式が執り行われ、戦没者の方々のご冥福をお祈りしたのち今回お迎えしたご遺骨をお渡ししました。

 遺骨収集活動後のワークでは、実際に遺骨収集を経験したうえで、学生たち自身が遺骨収集を行う意義は何かを再び考えました。感じたことや考えたことを共有することで様々な価値観に触れ、それぞれの考えを深めることができました。

 参加した学生からは、「遺骨収集活動を通して実際に当時の人々が生活していた場所に行って、五感で感じることで教科書の文字でしかなかったものが実感になった。活動を通して戦争や平和について自分なりの考えを持ち周囲や後世に伝えていくことが自分たちにできることだと思う」といった感想が上がりました。

 この活動では、私たちの日常が当たり前ではないと知ることができます。
 活動を通して仲間たちと考え、悩み、“平和”という答えがないものに向き合い続けます。
 あなたも一緒に“平和”について考えてみませんか?

 最後になりますが、今回の活動の実施においてご協力頂いた全ての皆様に心より御礼申し上げます。(日本大学2年 鬼頭 崇真)