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岡山県備前市日生諸島活性化活動

 8月18日から21日の4日間、岡山県備前市日生諸島にて、IVUSA学生76名、事務局1名、合計77名で岡山県備前市日生諸島活性化活動を実施しました。
この活動は2015年に始まり、今回で16回目を迎え「住民参加型の里海のテーマパークを作る」というテーマのもと、里海の保全を目指し、主に海岸清掃活動や漁の作業など、地域の方々と交流をしながら行っています。

 初日は日生諸島の魅力である海や多島美に触れながら、島民の方とコミュニケーションを取りました。その中で「空き家の問題」や「地域の担い手の不足」などの声があり、自分たちに何ができるかを検討しました。また、学生の視点から見た日生の魅力ある景色を写真に収め、備前市職員の方と共有しました。

 2日目は鶴島と大多府島という2つの島にて清掃活動を行いました。
 地元の漁師さんと共に清掃し、ごみ袋32袋と粗大ごみ、船一面のフロートが回収されました。

 また今回の活動で初めてアマモの種子選別作業に関わりました。「海のゆりかご」とも呼ばれるアマモは海中環境の改善のみならず、生態系の保護など様々な役割があり、里海の保全において必要不可欠なものです。清掃活動とはまた違った海の豊かさを守る活動となりました。

 3日目は、一般参加者の方と共に海岸清掃活動を行いました。海岸に着いてからは、学生らの円陣で士気を高め、約40名の一般参加の方と共に活動しました。地元の方々と交流しながら清掃することで、清掃に限らず色々なお話をすることができ、日生のまだ知らない魅力を発見することができました。

 夜には漁師の方々や現地住民の方々と交流会を行いました。会は大いに盛り上がり、更なる関係を構築することができました。食事には日生の新鮮な海の幸を堪能し、日生の魅力をより感じました。

 最終日は備前市役所の職員の方々にお越しいただき、行政の施策に対して学生のアイディアや意見を検討する会を開きました。備前市の公聴広報課、企画課、備前焼振興課、土地住宅政策課の4つの課の方が来てくださり、課題についてのディスカッション、最後にグループごとに発表しました。

 土地住宅政策課のディスカッションでは、「子育て世代に備前市に移住してきてもらうにはどのような支援制度を取り入れればよいか」について若い世代の視点から考え、その結果「移住のハードルになる地域コミュニティへの橋渡し役を充実させる」「就業支援をもっと充実させたらよいのではないか」など様々な意見が出されました。

 職員の方からは「市役所内では見えないものが外から来た人からだと見えた有意義な時間だった」とお話いただきました。

 最後に閉会式が行われ、事務局の谷口純平から、「若者がなぜ地域活性化に関わるのか。現状の課題に対して、対策を打つこと。自分の住む未来を明るくするために学び、考えることにある」との挨拶がありました。

 今回は海岸清掃活動以外にも交流会の実施や行政との活動、初めてとなるアマモ関連の作業など試みの多い4日間でした。島民の方々の温かさにふれ、より深く現地の方との関係性を構築できたと同時に深刻な担い手不足、海ごみ問題などが浮き彫りとなりました。これからも継続的に関わっていくことで、繋がりを絶えさせないことが大切であると感じます。

 最後に、活動実施にご協力いただいた皆様に心より御礼申し上げます。(國學院大學3年 小川 真奈美)

※海岸清掃に関しては、日本財団「海と日本PROJECT」の助成を受けて実施しました。