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山形県日本海沿岸清掃活動

 山形県の日本海沿岸では、対馬海流や季節風の影響で多くのごみが流れてきます。さらに夏と比べ冬は海が荒れ、より多くのごみが漂着しますが、安全上の問題から回収されにくい現状があります。IVUSAでは、2016年からこの問題に対する活動を開始。今回は3月8日から10日の3日間活動しました。

 1日目、IVUSAの学生86人が山形県に到着し、油戸公民館へと移動して山形に住む学生13人と合流し、結団式を行いました。そこでは住民会長の佐藤満さんのお話や各役職からの注意事項を聞き、活動への意欲を高めました。

 その後油戸海岸に向かい、グループに分かれて清掃しました。皆お互いを鼓舞しながら粗大ごみを中心に4,315kgの海ごみを拾い、海岸を綺麗にしました。午後からは海ごみアートに使うプラスチックごみ素材を集め、一日目の清掃活動は終了しました。

 夕食を食べた後は、隊員同士の絆を深める交流会を行いました。

 2日目は由良浜海岸を清掃しました。午前は制限時間内に予め定められたエリアで、ごみの量と質をチームで競い合いながら、海ごみアートに使うための「スポーツごみ拾い」を行いました。
 隊員は、普段のただごみを拾うだけの清掃活動とは違い、ごみの種類や大きさなどに注目して慎重にごみを集めていました。同じチームの隊員同士でよりコミュニケーションを取り合いながら進めることで、普段の清掃活動よりもチームの隊員同士の絆が深まりました。

 お昼は調理を担当する隊員が作った、山形県の郷土料理の芋煮を食べました。山形県の清掃活動をする立場として山形県のことをもっと知るきっかけ作りを目的としています。地域によって、醤油と味噌の味があり、2種類の芋煮を楽しみました。

 昼食後は地域の方と交流会を行いました。プラスチックごみを型紙に貼り付ける、海ごみアートをつくりながら、普段は聞くことができない地域の方の海ごみに対する考えや思いを隊員は真剣な顔で聞いていました。

 その後、由良浜海岸で午前中に拾いきれなかった細かいごみを拾い、清掃を終えました。夜は今日の交流会を通して感じたことや考えたことを共有し、明日の清掃活動への意欲を高めました。

 3日目の午前は悪天候のため、鶴岡市湯野浜振興センターでディベートを行いました。
 テーマは「プラスチックは善か、悪か」で2グループに分かれ、プラスチックが善であると考えるグループは、プラスチックが軽くて強度があり、錆びないという利点から様々な製品に使われ、生活を豊かにしてきたことを主張しました。
 反対に、悪であると考えるグループはプラスチックが自然分解されないことやマイクロプラスチックになることで環境汚染につながっていることを主張しました。この活動を通してプラスチックの良い点と悪い点を改めて考えられました。

 午後は、湯野浜海岸にて清掃活動を行いました。強風のため、体感温度は昨日や一昨日とは比べ物にならないほど寒く、手がかじかんでいる中での清掃活動となりました。湯野浜海岸には砂に埋まっているごみが多くあり、隊員同士協力しながら清掃しました。

 夕食後、解団式を行い、活動をふり返りながら、この活動で出会った仲間たちとの別れを惜しみました。


 
 日常生活では目にすることのない大量のごみを清掃活動で実際に見て、多くの隊員が驚きました。私たちは活動を通して分かった山形の海の現状について、感じたことや考えたことを家族や友人に伝えることで、海ごみ問題を解決しようと行動する人を一人でも多く増やして行くことを目標に、今後も活動していきます。(東北公益文科大学1年 今井 美結)