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千葉県印旛沼クリーン大作戦

 8月28日から30日の3日間にかけて、千葉県印西市神崎川にて、学生47名、OB・OG16名、事務局1名の計64名で印旛沼クリーン大作戦を実施しました。活動にあたって事前に隊員全員のPCR検査陰性を確認しています。

 この活動は、「印旛沼を綺麗にしたい!」という学生の想いから始まりました。地元の方々との協力を通して、学生たちが印旛沼の課題を自分ごととして捉えることを目標に、大幅に繁茂した外来水生植物ナガエツルノゲイトウ除去に挑みます。

 初日は、3年ぶりの活動というブランクがあるため、OB・OGからの助言を受け活動しました。広い範囲に繁殖しているこの植物は、手鋸を使って群落を切り分けたあと、数人がかりでロール状に巻き、ブルーシートを利用して地上に引き上げます。陸上と水中それぞれの協力が必須です。

 試行錯誤しながらも徐々にコツをつかみ始めた隊員たちは、午前中だけで初日の目標に届くほどのナガエツルノゲイトウの引き上げに成功しました。この植物は驚異的な繁殖力を持っており、地面にこぼしたり、小さな茎さえも川に残したりしてはいけません。実際に農業用水路に入り込んだこの植物が、神崎川へ行く道中の田畑の溝にも多く繁殖していました。そのため、引き上げる際にシートの隙間からこぼれていないか、水中に浮いている小さな茎や葉はないか、細心の注意を払いました。

 2日目は現役の学生が主体となり、地元の関係団体の方々と共に活動に臨みました。2日目からは、千葉県が手配した重機も加わり、引き上げたナガエツルノゲイトウを運搬する作業をします。活動目標や危険だったこと等を全体で共有し、初日のOB・OGの助言や活動の様子を思い出して学年関係なく一人ひとりが声を掛け合う姿が見られました。

 活動には一般参加の方もおり、当協会のSNSで活動を知り、駆けつけてくださった方もいらっしゃいました。また、通りがかった地元農家の方が、学生の一生懸命さに心を打たれ、何かできることがないかと味噌汁を持ってきて下さるという出来事もありました。この方は、3日間にわたって家で採れた野菜を使用した料理を提供してくださいました。ありがとうございました。

 活動当初からご協力をいただいている鹿島川土地改良区(侵略的外来生物コンソーシアム)の髙橋修さんによると、このように自ら情報を知って現地の方が駆け付けてくれたことは、活動開始以来初めてとのことです。夕食に使用している野菜も、地元農家の方に提供していただいたり、重機の使用やドローンでの撮影をしていただいたりと、学生だけではなく多くの人の協力で成り立っている活動であると深く実感しました。

 最終日も学生たちは全力で活動に励みました。当初は5つの群落の除去を目標としていましたが、全員の力が合わさった結果、6つの群落の除去に成功しました。

 その後、地元の関係団体の方11名と行った意見交換会では、ナガエツルノゲイトウが引き起こす問題の数々を改めて学びました。学生たちからは、「印旛沼を身近に感じられるようになった」という声が多く上がり、活動前と意識が大きく変わっている様子が見受けられました。環境パートナーシップちばの小倉久子さんは、経験者が少ない中でパワーを引き継いだ幹部、手段を伝達してくれたOB・OGへの感謝を述べられました。髙橋修さんからは、「IVUSAが他でやっている農業活動をフィードバックして今後は取り入れていきたい」という言葉を頂き、今後への課題も見つかりました。

 3日間で引き上げたナガエツルノゲイトウの総重量は約21トンです。たくさんの方のご協力のおかげで目標以上の結果を得ることができました。

 最後に、今回の活動の実施に向け、ご協力頂いた皆様に心より御礼申し上げます。(龍谷大学3年 田中 麻穂、法政大学3年 坂野 千夏、日本大学2年 権田 智也)