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京都府阿蘇海環境づくり活動

 8月23日から26日まで、京都府宮津市・与謝野町で、フィールドワークやカキ殻回収や阿蘇海1周清掃などの活動を行い、学生47名、事務局員1名が参加しました。この活動では、持続可能な循環型環境モデルの構築を目指しています。コロナ禍のため現地での活動は3年ぶりとなりました。

 8月23日は、開会式と阿蘇海周辺の散策をしました。
 昼食には、吉野茶屋さんがあさりコロッケバーガー、ばら寿司、智恵の餅を用意してくださり、阿蘇海ではあさりがよく取れたという歴史や、宮津の名産を知るきっかけになりました。

 8月24日は、宮津市文殊の阿蘇海沿岸でカキ殻回収活動を実施しました。
 戦時中、食糧源として阿蘇海周辺にカキの幼貝が撒かれました。しかし戦後は食糧不足が解消され、カキの消費量が減り、大量に繁殖し続けました。カキ殻の堆積は、生態系への悪影響や景観悪化を引き起こしています。これらの課題を解決するために、IVUSAではカキ殻を回収し、そのまま廃棄するのではなく、畑の肥料として、地域の農園で再利用しています。

 午後には例年活動でお世話になっている吉野茶屋の平木志乃さんからご講演をいただきました。カキ殻の堆積の原因や、宮津地域の実情、IVUSAと宮津地域の関わりについてのお話を伺い、この活動の意義を改めて感じました。

 8月25日は、宮津市文殊の観光船乗り場付近と与謝野町の阿蘇シーサイドパーク周辺にてカキ殻を回収しました。2日間合計で、約6.8トンのカキ殻を回収することができました。

 また、阿蘇シーサイドパークでは、株式会社ローカルフラッグの代表取締役の濱田祐太さんが活動に参加してくださり、差し入れに「ASOBI」というビールをいただきました。このビールを作る際には、水の硬度調整で阿蘇海のカキ殻を使用しています。
 午後からは回収したカキ殻を肥料として散布するために、あっぷるふぁーむを訪れました。与謝野ホップの肥料として、実際に散布の体験をさせていただきました。与謝野ホップは、与謝野町で栽培されている名産品で、主にビールの香り付けに利用されます。頂いた「ASOBI」にも与謝野ホップが使われています。回収したカキ殻が実際に再利用されているところを目にして、カキ殻がもつ可能性をより実感しました。

 その後宿舎の京都府立青少年海洋センター マリーンピアに戻ってから、阿蘇海で獲れたカキや回収したカキ殻の活用方法を考えるワークショップを行いました。これまでの活動でそれぞれが感じた阿蘇海地域の課題や魅力を基にして、様々なカキ殻の活用方法の案が出ました。

 8月26日は、阿蘇海一周14キロの沿岸・道路に落ちているゴミを拾う「阿蘇海一周清掃活動」を行いました。砂浜には漂着したプラスチックゴミが特に多くありました。活動した学生は「環境問題をより深刻に捉えることができた」と言っていました。

 15時からは文殊公会堂にて閉会式を行いました。閉会式では宮津市長の城崎雅文さんと吉野茶屋の平木志乃さんから感謝のお言葉をいただきました。
閉会式終了後、宮津市を出発し、18時30分頃に京都駅に到着し、解散しました。

 4日間の活動中、地域の方々から「待っていたよ」「ありがとう」「頑張ってね」というお言葉を多くかけていただきました。これは先輩たちが築いた、地域の方々との信頼関係の賜物だと思います。
 今回の活動は3年ぶりに対面で行われましたが、次の活動、そして次の世代へとバトンを再びつなぐきっかけになりました。