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第18回世界湖沼会議に参加しました

 第18回世界湖沼会議が11月10日より3日間、メキシコのグアナファト大学からオンライン開催され、世界58ヶ国、約1000名の研究者や市民団体、行政が参加し、世界の湖沼が抱える水環境の課題や解決方法について意見交換されました。
 IVUSAからは大学生4名が滋賀セッション、分科会、ポスターセッションに参加し、英語で発表、意見交換をしました。

 世界湖沼会議は、1984年に琵琶湖がある滋賀県の呼びかけで始まった国際会議で、世界各国の研究者や市民団体などが参加します。湖沼流域の持続可能な管理に関する意見や経験談を交換し解決策を議論する場です。

 2日目には滋賀セッションがあり、公益財団法人国際湖沼環境委員会(ILEC)の事務所より、オンライン配信されました。滋賀セッションでは、琵琶湖の湖沼流域管理における市民と行政の協働事例が紹介されました。今回は総合司会を一般社団法人インパクトラボの畠麻理奈さん(立命館大学1年)とIVUSAの林真有(関西大学2年)が司会を務め、琵琶湖チームの島田晴(関西大学3年)は登壇者として、多様な主体と連携して実施してきた侵略的外来水草オオバナミズキンバイの除去活動の紹介に加えて、SDGsの琵琶湖版であるMLGs(マザーレイクゴールズ)の目標を達成するために、学生が活動の幅を広げて環境問題に取り組んでいることを発表しました。

 アメリカの研究者からは「若い世代がリーダーシップを発揮して環境問題に取り組むケースは貴重で、国際的にもさらに広がってほしい。」などのコメントを頂きました。
 また意見交換では、自然災害や貧困、子どもの環境教育など幅広いテーマで互いの経験、意見などを共有しました。

 分科会では、辻野遥香(関西大学3年)よりオオバナミズキンバイ除去活動で行政、漁師、地域NPOの方々と連携して取り組んでいることを発表しました。
 海外からの参加者から、「活動に行政がどのように関わっているか?」の質問があり、「活動の企画段階から行政関係者と連携しながら実施している」と回答しました。

 ポスターセッションでは、佐藤華蓮(関西大学2年)より琵琶湖版SDGsであるMLGsの達成に向けて、MLGsワークショップを滋賀県庁の方と開催したことや、小学生向けの環境ワークショップ『研究者になろう』の実現に向けて、準備し計画を進めていることに関して、プラットフォーム上で発表しました。

 最後になりましたが、今回、滋賀セッション、分科会、ポスターセッションで発表する機会を下さった、滋賀県、ILEC、活動関係者の皆様に、心より御礼を申し上げます。  
  このような素晴らしい機会を頂き、多くの方々と築き上げてきた琵琶湖での活動成果を海外に向けて発表する経験は、私たち学生にとって大きな自信に繋がり、また、今後も活動に励んでいく覚悟も更に強くなりました。重ねて御礼申し上げます。(関西大学2年 佐藤 華蓮)

【滋賀セッション発表者より】
 数ヶ月前から多くの関係者が準備された中で、若者の代表者として登壇する事に正直めちゃめちゃ緊張しました。

 発表では、私たち若者の「学生の力で琵琶湖を守りたい」という想いを行政や地域の大人が応援してくれる環境があるおかげで、大規模なオオバナ除去活動を実施できていること、また関係者と連携しながら対策することで、オオバナを沢山除去でき、繁殖面積を減少させてきたモデルを紹介しました。

 日本や世界各地に外来水草の繁殖範囲が広がったとしても、滋賀県での取り組みを参考に危機感を持って取り組んでいってもらえたら幸いです。

 またディスカッションパートを通して、この環境問題だけでなく、子どもの教育機会、自然災害など世界中の社会問題に対して、これからの世代を担っていく若者が主体的にアプローチすることの大切さ、面白さを改めて実感しました。

 今後も若い力を活かして、世界中の方々と連携し、社会課題を解決していきたいと思います。

 今回このような機会を与えてくださり、準備から本番までサポートしてくださったILEC、滋賀県庁、インパクトラボの方々に深く御礼申し上げます。(関西大学3年 島田 晴)

【滋賀セッション司会者より】
 滋賀セッションの英語での総合司会の誘いを頂いたとき、自分の得意分野である英会話が活かせるチャンスだと思って、IVUSAに所属して間もなかったですが、挑戦しようと思いました。
 本番はとても緊張しましたが、海外の専門家との議論の場に携わることができ、今まで感じたことのないワクワク感を感じました。またインパクトラボの同年代のメンバー、先輩である晴さんらの堂々とした議論、ILECの方々の熱意を目の前で見て刺激を受けました。
 今回の登壇をきっかけに、環境問題だけでなく災害のことや、児童支援についても沢山学び、今後のIVUSAでのボランティア活動で活かしていきたいと思います。 
 このような素晴らしい機会を与えてくださったILEC、滋賀県庁、事前の打合せ、リハーサル、本番でも沢山のサポートをしてくださったインパクトラボの方々、また、早朝より配信を見て応援をしてくれた家族や友人にも心より感謝申し上げます。(関西大学2年 林 真有)

【分科会発表者より】
 世界湖沼会議で英語論文を書き、英語でプレゼン発表する事に挑戦すると決めた今年の夏、文章を書くことも、英語も得意ではなかったですが、沢山のオオバナに関する論文を読み、IVUSAと関係者の方が築き上げてきた琵琶湖モデルを世界中の人に上手く伝える事を発表日まで毎日夢の中でも考えていました。
 発表内容はオオバナの問題に対して多様な主体が連携することの大切さをテーマにしました。これはオオバナに限らず他の環境問題の解決にも重要なことであると感じます。
 この発表を聞いた世界中の方々の地域環境問題の解決に少しでも役立てていただければ幸いです。
 守山市でのオオバナ除去活動時には、漁師や環境NPOの方にインタビューを行い、当時オオバナが湖面を覆いつくしていた時の地元の方々の悲壮感が伝わってきたり、「IVUSAなしでのプロジェクトは考えられない」というコメントをいただき、大学生への大きな期待を感じ、使命感を持って活動に取り組むきっかけにもなりました。
 これからもオオバナ完全除去を目指して活動に取り組んで参りたいと思います。

 この度、世界湖沼会議という大きな国際会議の場で発表する場を頂いたことは、私にとって大変貴重な経験であり、最後までやり切れて大きな自信になりました。
 最後にアブストラクト、論文等の添削をしてくださったILEC、滋賀県庁中井様に心より御礼を申し上げます。(関西大学3年 辻野 遥香)

【ポスターセッション発表者より】
 世界湖沼会議、私がポスター発表に挑戦したきっかけは、「将来、音楽で世界中の人の心を動かしたい!」という目標に近付けると思ったから。また琵琶湖版SDGsである「MLGs企画」のリーダーを務めており、「学生が熱意を持って琵琶湖の持続可能な社会に挑戦している!」という事を海外にも発信していきたいという想いからでした。

 2021年6月にMLGsワークショップを開催し、社会人の方と大学生だからこそできる、MLGs達成に向けた取り組みを議論しました。ポスター発表の内容は、そのワークショップの概要や進め方、学生の想いの変化、企画立案の際の葛藤や、社会人の方と企画を実現可能性の高いものに仕上げていったことについてでした。

 私はMLGs企画のリーダーでありながらも、企画の魅力を他人に上手く説明が出来なかったです。今回、ポスター作成、発表の準備に取り組む中で、多くのMLGs関係者やIVUSAの先輩や同期にもアドバイスをいただき、学生がMLGs目標達成の一派を担って、MLGsを更に盛り上げるんだという自分の軸を改めて確認でき、自信を持って発表することができました。

 世界湖沼会議という大舞台で、私がIVUSAで経験し、学んだことを世界に発信する貴重な体験をいただき、とても有難く思います。
 最後に、この機会を与えてくださった関係者の皆様、アブストラクト・ポスターの添削、質問への丁寧な対応をしてくださったILEC、滋賀県庁、MLGs関係者の皆様に深く御礼申し上げます。(関西大学2年 佐藤 華蓮)

【資料】
ポスターセッション:ポスター+発表スライド
滋賀セッション:発表スライド
分科会:発表スライド
論文(英語) 大学生による多様な主体との連携による琵琶湖の侵略的外来水生植物の除去の取り組み
論文(日本語) 大学生による多様な主体との連携による琵琶湖の侵略的外来水生植物の除去の取り組み