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守山市でのオオバナミズキンバイ除去活動に参加しました

 8月21日に、滋賀県守山市の木浜町ヨシ植栽地にて侵略的外来水生植物であるオオバナミズキンバイ(以下オオバナ)の除去活動を実施し、玉津小津漁業協同組合漁師14名、滋賀県職員2名、IVUSA学生16名、IVUSA 事務局1名、計33名で感染症対策を徹底しながら活動を行いました。

 オオバナは、2009年に初めて滋賀県守山市で発見された南米原産の外来水生植物です。オオバナは生育面積を7年間で2,000倍にまで広げる爆発的な繁殖力と小さな根や茎からでも再生する驚異的な再生力を持ちます。これらの特徴により、漁業・生態系への悪影響、水質悪化、河川の閉塞といった様々な問題を引き起こすことから2014年には環境省により「特定外来生物」に指定されました。
 ヨシは育成時に水中のリンや窒素を吸収して水を浄化する働きがあることや、魚や野鳥のすみかとなることから、琵琶湖の水質・生態系の保全に役立っています。
 しかし、オオバナがヨシ群落の周りに繁殖することで、ヨシによる水を浄化する役割が妨げられ水質が悪化する可能性があることや、魚や野鳥のすみかを奪うといった生態系への被害が問題視されています。また、魚の産卵場所が奪われ、漁獲量が減少するといった漁業への被害も危惧されています。そこで今回、このヨシ植栽地に繁殖しているオオバナの完全除去を目的に活動を行いました。

 はじめに、玉津小津漁業協同組合の田中善秋組合長から今回の活動内容について説明していただきました。その後、屋形船で活動場所まで移動し、午前8時半に活動を開始しました。

 本来は参加者全員が胴長を着用して湖に入り活動する予定でしたが、活動の1週間ほど前から続く雨の影響で琵琶湖の水位が上昇していたことから、玉津小津漁業協同組合の漁師の方々が操縦する船に学生が2,3人ずつ乗り込み、船の上からオオバナを除去するという方法での活動になりました。

 オオバナの除去は根や茎を取りこぼすことなく丁寧に取り切らなければならないのですが、船に乗った状態では湖底の深い部分にまで手を伸ばして取ることや、ヨシ群落の間に生えているオオバナを取ることはとても難しかったです。

 活動を進めるうちに作業する場所によっては水位が低いことが分かったため、胴長で水に入り、水中の茎・根、ヨシ群落のオオバナまで丁寧に除去することができました。泥に塗れながらも元気に活動する学生も見られました。
 抜いたオオバナは水面に浮かせることのできる大きな箱に入れて、運搬用の船に乗せて漁港に運びました。
 漁港では、船で運搬したオオバナを漁師さんが重機を使って陸に引き上げ、乾燥させるための天日干し作業を進めました。

 感染症対策のため作業時間を短縮し、11時に作業は終了しました。
 閉会式では滋賀県農政水産部水産課の酒井明久さんから、「このように学生と、漁師さんたちが琵琶湖のために協力して活動できることはとても素晴らしいことだと思います。今後も皆さんで協力して琵琶湖を守っていきましょう」とお話しいただきました。

 閉会式後は、学生のみで今回の活動の振り返りを行いました。初めて活動に参加した学生からは、「滋賀県在住だが、今回の活動でオオバナミズキンバイという外来水草の問題があることを初めて知りました。今後も琵琶湖を守るためにこういった活動に参加していきたいです」といった感想がありました。

 最後に今回の活動のリーダーである黒田桔平(関西大学4年)から、「今回、多くのオオバナを除去できたが、この問題の解決のためにはこの先も継続的に取り組むがことが必要です。だから今回の活動で終わるのではなく、後輩の皆さんは来年、再来年以降もこの活動に是非携わって琵琶湖の問題を少しでも解決していって欲しいです。」という言葉で締め括り、今回の活動を終えました。

 今回の活動成果としては、総計4.4トンのオオバナを抜くことが出来ました。最後になりますが、今回の活動実施にあたり協力してくださった玉津小津漁業協同組合、滋賀県水産課の皆様、本当にありがとうございました。今後も地元の方々のご協力のもとオオバナの除去活動を継続して行い、少しでもIVUSAが琵琶湖の環境改善の力になれるよう努めます。また、より多くの学生にオオバナの問題に関心を持ってもらい、活動を広げていきたいと思います。(滋賀大学2年 馬場千瑳)

※この事業はびわ湖チャリティー100km歩行大会の寄付金及び平和堂財団環境保全活動助成事業「夏原グラント」の助成を受けて実施しました。
※新型コロナウイルスの感染防止対策として、滋賀県内在住の大学生中心に活動を行い、大幅に人数を減らし、参加者全員の検温および、消毒、マスクの着用を徹底して活動を実施しました。