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クリーンダッカ大作戦

 3月7日(月)から3月17日(木)までの10日間、バングラデシュ人民共和国の首都ダッカにて、「ゴミ拾いという名の国づくり」というコンセプトで清掃活動及び交流活動を実施しました。

 今回の活動はIVUSA学生101名と事務局員2名、ダッカ大学生約100名が参加した大規模プロジェクトであり、ダッカ大学の敷地内で活動を行いました。その場所にはダッカ大学の寮がいくつもあり窓から捨てられたと思われるゴミが散乱していました。
 また清掃活動の他にも日本ポリグル株式会社とパシフィックコンサルタンツ株式会社のご協力によってダッカ大学内の池の浄化実験の見学、「環境」をテーマにしたシンポジウム、交流会を行いました。


IVUSA学生とダッカ学生が清掃作業を行っている様子。

 現在、バングラデシュは都市化への発展に伴う人口集中・市街地拡大から都市環境の悪化が深刻で、特に首都ダッカ都市圏は人口が1400万人を超え、増大する廃棄物の管理が大きな課題となっています。先進国に住む日本人学生と途上国であるバングラデシュ学生が共に活動することに対しても、お互いにカルチャーショックを受け入れられるのか不安でした。

 ですがこの課題に対し、パシフィックコンサルタンツ株式会社、国土保全技術本部港湾部国際開発グループ技師の神波泰夫氏から環境を意識した都市開発についての講演や、日本ポリグル株式会社の水質浄化装置の実証をシンポジウムで開催し、国境・人種を越えて環境について考えることができたことから、お互いの不安は緩和されたように思います。
 その中で、「違う国の学生同士がこうして行動を共にし、一つのことに取り組んでいる。すぐには何も変わらずとも、地道に君たちが出来ることを精一杯すれば、環境も社会も変わってくる」という小田会長の奨励のお言葉をいただいた時、会場は大きく盛り上がりました。


池の浄化作業を行う前の池の様子。


池の浄化作業を行ったあとの池の様子。手前が浄化した区域。


修了証をもらうIVUSA学生。

 
 活動を続け、互いに絆が生まれているのを感じながらも別れの時間が来た時「私たちだけでもこの活動を続ける」「バングラデシュにIVUSAを立ち上げたい」と言うダッカ大学生がいました。彼らは今でも私たちと連絡を取り合い、FaceBookで「MissionCleanDhaka」というグループを作って清掃活動を進めています。
 今回結んだ私たちの絆は、きっと未来へと引き繋がれていき、ゴミ拾いという名の国づくりに繋がっていくと信じています。(立命館大学4年 白井 麻里)


【プロジェクトリーダーより】
  バングラデシュは独立して40年たった今でも政治の不安定さ、貧富の差は解決されておらず問題も多くある国です。しかし、「この国は変わる」そう思えた活動でした。国民から溢れるエネルギーに凄まじいものを感じ、この国民のエネルギーが正しい方向に向かえば、この国は物理的にも精神的にもさらに豊かになるはずと思うからです。

 そして活動を共にしたダッカ大学生は、国の首相や大臣になる可能性を秘めています。大きな可能性を持つ彼らが今回の清掃活動から感じたものを生涯維持し、行動することで20年後のバングラデシュに希望をもたらすのではないでしょうか。

 この活動は始まったばかりです。すぐ結果がでてくるものではありません。だからこそ、今回の活動で植えた絆という芽をIVUSAが継続することで大きくさせられると考えています。これからもよりよい活動を行い、より厚い関係を築くことを目指し、IVUSAは努力します。
 改めまして、本年度の活動にご協力いただいた皆様方に心から御礼申し上げます。ありがとうございました。(立命館大学4年 宮澤 温志)
 

【追記】
 3月11日に発生した東北関東大震災についてのニュースは、翌日12日にほぼ全ての新聞の1面で報道されるなど、バングラデシュでも大きく取り上げられました。清掃作業中にもダッカ大学生含む多くの方々から本活動参加者の家族・友人の安否を心配する声をいただき、13日にはダッカ大学TSC(Teacher and Student Center)構内に日本への追悼の意を表す文と、学生の寄書を集めるための横断幕が掲示されました。その横断幕には多くの励ましと共感の声が書き込まれていきました。



=横断幕全文=
Our deepest condolences to the people of Japan , particularly those who have lost loved ones in the earthquake and tsunamis.
日本の人々、特に、この地震と津波で愛する者を亡くした人々に、深い哀悼の意をささげる。
Our heart and our tears are with you.
私たちの心と涙はあなたたちと共にある。
We the Bangladesh stand ready to do anything can to help our Japanese friends as they deal with the aftermath of this tragedy.
私たちバングラデシュは日本の友人のために、喜んで立ち上がる。
彼らがこの悲劇に立ち向かえるように。

■ クリーンダッカ大作戦は以下の皆様のご協力により実施されました
<共催>ダッカ大学

<協力>バングラデシュJICA事務所、日本ポリグル株式会社、パシフィックコンサルタンツ株式会社、ダッカ市役所、D-WATERTECH(順不同・敬称略)

<協賛>大塚製薬株式会社、大日本除虫菊株式会社、日本アルコール産業株式会社、相日防災株式会社、株式会社健康体力研究所、株式会社アースコンシャス、福地製薬株式会社、玉川衛材株式会社、日本製紙クレシア株式会社、スバル産業株式会社、ミドリ安全株式会社、サラヤ株式会社 (順不同・敬称略)