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7月度定例会

 7月18日に、日本大学砧キャンパスにて7月度定例会が行われました。

 「もう夏ですね」ということで夏休みに行われるIVUSA夏プロジェクトのうち5つの紹介ムービーが一挙上映されました。名付けて“夏プロムービーアワード!”
 ただ観るだけでなく印象に残った2つのムービーに定例会参加者が審査員として投票しました。なんと投票数一位のムービーアワード受賞作品はIVUSAのウェブページのトップに掲載されます。

審査基準は

・もう一度見たいと思ったか
・作った人の熱意や、プロジェクトの魅力が伝わるか
・他の人にこのムービーを見てほしいと思えるか

です!!

 どのムービーも凝っていて作り手側の熱意が伝わってきたので、審査するのが大変でした。どの作品が選ばれるのかとても楽しみですね。

 講演会では、ネパールで生活をしている垣見一雅さん、通称「OKバジ」にお越しいただきました。
垣見さんの通称、「OKバジ」の「バジ」とは、ネパール語でおじいさんという意味の愛称です。地の村の支援を始めた当初、村人からお願いをされた時に、「オーケー、オッケー」とよく言っていたところから、「OKバジ」と呼ばれるようになったそうです。

 垣見さんは、日本のNGOや企業の協力を得ながら、日本からの善意を運ぶパイプ役として、ネパールの山奥の生活支援活動で活躍されています。今回は、ネパールの現状や垣見さんが行われている活動についてお話していただきました。

 IVUSAのネパールでの山村支援活動プロジェクトの際にも大変お世話になりました。IVUSAでは、垣見さんのご協力のもとで、これまでに2校の小学校を建設してきました。今年の春の活動では、IVUSAが資金援助し、建設したフットサル場の整備や、前回の活動で建設した小学校の開校式への出席をしました。

 垣見さんが最初にネパールを訪れたきっかけは、エベレストでの登山でした。そこで様々な光景を目にし、自分にも何かできるのではないかと5年間考えた末にネパールの村に留まることを決められました。
 訪問を重ねるうちに次第に住民との関係も深まり、「御用聞き支援(何かに困っている人の解決策をみつける)」を17年間行っておられます。1村1村何に困っているかを尋ねながら回りながら、支援する際は、どのようにしたら自立に繋がるのだろうかということを大切にされています。

 17年間で変わったことは、東パルパ地方での教育の普及だそうです。昔は貧困が原因で150人中3人しか学校へ行けず最高学歴者は小学6年生という状況でしたが、今はその地方のほとんどの子供たちが学校に行けるようになりました。

 逆に7年間で変わらないことは、17年前に貧しかった人は今でも貧しいということだそうです。全体の所得は高くなっていても富裕層の所得が上がっただけで現状は変わっていません。貧富の差を縮めることが今後の課題だといいます。

「1を渡すと2を返してくれる。してもらった人はしてくれた人に感謝する、そしてしてもらった人はまた別のだれかに優しくする、という喜びの連鎖を17年間で実感しました。ボランティアをするということは、自分が色々なものをもらっていることと一緒です」

 垣見さんの、このお言葉は私たちの心に深く刻まれました。

 最後に、垣見さんにとってのネパールとは、「教師」だといいます。
 垣見さん、貴重なお話をどうもありがとうございました。

 最後に下村 誠代表理事の挨拶で締めくくられました。(聖心女子大学2年 大賀 一乃)


【垣見 一雅さんプロフィール】
通称「OKバジ」
1939年東京生まれ。
1988年エベレストでの登山を機に、1993年ネパールに定住する。
現在は、「御用聞き支援」を行いながら、日本と現地を結び付ける活動を行っている。