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第7次中国黄土高原緑化プロジェクト

 2010年3月5日から3月15日までの11日間、陝西省華陰市にて中国黄土高原緑化プロジェクトを行いました。参加者は、IVUSAの大学生62名、事務局スタッフ1名、西安外国語大学の学生5名、また現地のスタッフや高校生や中学生など、総勢約400名でした。11日間で計1068本の木を植林しました。

■6年間引き継がれてきたバトン
 黄土高原とは、中国の大河である黄河の中心部に位置します。ここでは産業が発達するにつれて環境破壊が進み、現在緑化率は10%以下にまで低下しています。

 この状況に対し私たちIVUSAは、日中緑化交流基金(第1次事業~)・国際交流基金(第4次事業・第6次事業)の助成を受け、中国青年国際人材交流中心を現地カウンターパートに計画を進め、2004年より6ヵ年事業として陝西省渭南市潼関県にて計約710haの植林、緑化作業を行いました。 6年間の活動実績は以下の通りです。

【第1次事業~第6次事業】 全体植林面積約710ha
2003年秋-2004年春 100ha(事業終了)  2004年秋-2005年秋 100ha(事業終了)
2005年秋-2006年秋 110ha(事業終了)   2006年秋-2007年秋 100ha(事業終了)
2007年秋-2008年春 100ha(事業終了)   2008 年秋-2009年秋 200ha(事業終了)


 そして、この実績が認められ、引き続き日中緑化交流基金の助成をいただけることになり、今回の第7次事業からは3ヵ年事業として、陝西省華陰市に活動地域を移し、植林活動を行うことになりました。


現地の林業局の方と中高生と一緒に植林作業。



■みんな、加油―!!
 実際の作業では、土壌流出を防ぐ防砂林(ポプラ)を植林しました。50cm×50cm×50cmの穴を掘り、栄養価の高い表土を入れ、ポプラの木を入れ、土をかぶせ、最後に周りにクレーターを作るという単純作業をひたすら行いました。

 天候にも恵まれ、日を追うごとに参加者一人ひとりが植林に賭けるモチベーションが上がっていきました。活動中は「加油」(日本語で頑張れという意味)という掛け声とともに、みんなでこの植林を成功させたいという気持ちが一つになりました。

 私たちが植林作業に関われるのは、1年のうち10日間程度であり、広大な黄土高原のほんの一部にしか過ぎません。だからこそ、約10日間全力で挑み、丁寧な作業を心がけることができたのだと思います。


日中の友好の証です。


■言語という壁を超えて
 このプロジェクトでは、環境問題に中国の学生と共に挑戦するとともに、「近くて遠い国」と呼ばれる中国との友好関係を深めるということも目的としています。今回も作業や交流会などを通して、日中間の友好の苗を植えることができました。

 言語という大きな壁が立ちはだかったものの片言の英語やボディーランゲージでなどで打ち解けることができ、最後には別れを惜しみ涙する学生の姿が見受けられました。私たちは真の朋友になれたのではないでしょうか。

  沢山の人の助けがあったからこそプロジェクトとしての成功を治めることができたのだと思います。長いようでとても短かった10日間、このプロジェクトを通して沢山のものを得ることができました。このプロジェクトがきっかけとなってそれぞれが新たな一歩を踏み出せますように。(聖心女子大学1年 大賀 一乃)


黄土高原にて集合写真。


【プロジェクト・リーダーより】
 4年前の夏、初めてこのプロジェクトに参加したのは第3次事業の時だった。このとき私は、中国の学生と出逢い、植林活動で共に汗を流し、これをきっかけに仲間になれた。育った国は違っても、同じひとりの人間なのだと、未来に向かって手を取り合っていけるのだと、心で感じた瞬間だった。

 そして今回、5度目の参加にして、プロジェクト・リーダーとして、先輩方から教わってきた、友好の苗の大切さを胸にしっかり刻みながら、これまでに築かれてきた日中の絆と仲間の想いを背負って黄土高原に立った。

 黄土高原の激しい風と戦いながら、しっかり自分たちの足で立ち、1060本を越える植林をしたこと。交流会で、日中の学生が共に日本の伝統「よさこい」を完璧に舞ったこと。これからどんなに厳しい壁に当たっても、仲間と笑い、涙した時間は必ず光となって前に進む道に導いてくれるだろう。

 11日間の中で、たくさんの笑顔を見た。新しい華陰という土地、そしてそこに住む人々の心に、「絆」を友好の苗と共にしっかり植えてこられたと想えた。まだまだこの活動は終わらない。後輩たちにしっかりとバトンを渡そう。私たちがリーダーとなって、多くの日中の仲間が、東アジアの平和の安定を担っていく未来はもうすぐそこまできているのだ。(フェリス女学院大学4年(活動時) 松元 涼子)

【参加大学】
神奈川大学、共立女子大学、国士舘大学、聖心女子大学、拓殖大学、東洋大学、フェリス女学院大学、法政大学、明治大学、立命館大学、立命館アジア太平洋大学、横浜市立大学、同志社大学、獨協大学、文京学院大学、西安外国語大学

【協力】
中国青年国際人材交流中心 (現地カウンターパート) 

【助成】
日中緑化交流基金(小渕基金)