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 9月2日から11日にかけて、第14次中国緑化活動を北京市と内モンゴル自治区ダラト旗にて実施し、学生33名と事務局員1名が参加しました。

 IVUSAでは2004年から「東アジアの安定と平和のため、国境を越えた環境問題に取り組み、日中の青年たちが汗をかき寝食を共にしながら真の友情を育み朋友となることで、民間による平和外交使節団としての責務を果たす」という目的のもと、中国で緑化活動に取り組んできました。

 今回の活動では上記の目的に対して目的達成のための3つのアプローチ を掲げました。
「現地の方々との植林活動の実施 」「北京学生とのワークショップの実施」 「隊員一人ひとりが平和外交使節団としての自覚を持ちアクションを起こす 」の3つです。

■現地の方々との植林活動の実施
 活動の3日目から5日にかけて、内モンゴル自治区ダラト旗にて作業しました。作業初日に、中日青年展旦召砂漠化防止モデル林プロジェクトの方々とともに着工式を行い、植林の作業をしました。
 日本人学生と現地スタッフの方々で共に作業をすることで、日中間の交流を深めることができました。
 しかし今回の活動では現地の学生と一緒に作業することはできず、課題も残りました。

 作業の結果、合計で160本のポプラの苗木を植樹させていただきました。

 植樹作業以外にも枝の剪定作業や道路の整備作業も行いました。道路の整備作業は崩れていたレンガを並べ直し、またレンガを新たに並べ、全員で協力して道を完成させることができました。

■北京学生とのワークショップの実施
 今回の活動では北京語言大学の学生と2日間に渡り交流をさせていただきました。初日の午前中は学生に大学構内を案内してもらい、一緒に学食で食事をとりました。
 午後には日中の文化について質問し合う企画を実施し、日中の政治関係など深い議論も行うことができました。
 そして、それぞれの想いや日中関係の未来を折り紙に書き、それを1つの木に仕上げました。

 翌日は学生と一緒に北京市内を自由に行動しました。丸一日自由行動というのは中国隊14年目にして初めての試みでしたが、隊員からは「異国の地で公共交通機関を使うのは、不安もあったが、1日を通じて日中の違いをたくさん比較出来て勉強になった」という声もあがり、有意義な体験となりました。

■隊員一人ひとりが平和外交使節団としての自覚を持ちアクションを起こす
 今回の活動では北京語言大学の学生を始めに、多くの学生と交流することができました。活動4日目と6日目に、ダラト旗第七高校の学生と交流させていただき、日中の学生が交互に出し物を披露し合い、IVUSAの学生はよさこいソーランやダンスを披露しました。
 また人間知恵の輪やハンカチ落としといった遊びも行い、交流会の最後には全員で「朋友」を歌い、日中の学生の友好を深める貴重な機会になりました。

 また活動2日目には恩格貝砂漠記念館と遠山正英博物館を見学させていただきました。記念館では、交流予定の無かった北京格端斬国際学校の高校生とも交流させていただき、日中友好の輪を広げることができました。

 今回の活動では自分達の目で見て感じることが重視され、抗日戦争記念館では中国側から見た戦争というものを知ることで、学生たちは日中関係や戦争について考えを巡らせました。万里の長城や天安門を訪れた際には、中国の歴史を肌で感じ、思いを馳せました。

 そして活動最終日には解団式を行い、カウンターパートである中国青年国際人材交流中心の黄部長から、「自分たちが長年作業している砂漠で暑い中作業してくれたこと、去年よりも多くの方が中国に来てくれたことに感謝します」とのお言葉を頂きました。

 この10日間、隊員一人ひとりが日中平和外交使節団として何ができるのか考え行動し、多くのことを五感で感じ学びました。今回の活動を通じて出来た日中友好の輪を大切にし、さらに友好の輪が広がっていくことを願います。
 最後になりましたが、本活動にご協力頂いた全ての方々に感謝申し上げます。(中央大学2年 北野 裕也)

 尚、この活動は下記企業様のご協力のもと活動を実施しました。(順不同)

株式会社聖護院八ッ橋様、サラヤ株式会社様、モンスターエナジージャパン様

【プロジェクトマネージャーより】
 今回、IVUSAの活動としては3度目となる内モンゴルダラト旗での活動で、昨年、一昨年の作業地にも足を運びました。その時に、今までの先輩たちや現地で日々汗を流している現地の方々の顔が目に浮かび、私たちの行なっている活動の意義を再確認しました。

 そして、様々な人の想いが詰まっているこの活動は、その想いの積み重ねにより、日中友好の根を張っていっているということを確かに感じました。

 日中友好という、ゴール、形の見えない目的を掲げた活動だからこそ、想いを繋ぎ、周りに広げていくことに価値があると思います。少しずつ、一歩ずつでも、日中友好の根を広げていくことが出来たら幸いです。

 最後になりますが、今回の活動を支えていただいた日中緑化交流基金、中国青年国際人材交流中心、ダラト旗青年連合会、協賛を頂いた企業の皆様、また関係者の皆様へ、この場を借りて感謝申し上げます。(国士舘大学4年 戸川 雄策)