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>ID/パスワードを忘れた方はこちらから8月9日から11日の3日間にかけて千葉県印西市神崎川にて、学生87名、事務局員1名の計88名で印旛沼クリーン大作戦を実施しました。
活動場所である印旛沼は、観賞用に持ち込まれたナガエツルノゲイトウが大幅に繁茂し、それにより生態系への悪影響を及ぼす恐れがあります。ナガエツルノゲイトウは環境省に指定されている特定外来水生植物です。
この植物が繁茂することにより、揚排水機場等でスクリーンや防塵機を詰まらせ、機能低下や故障の原因にもなり、その結果洪水を引き起こすといったリスクがあります。
昔は近隣住民にとって身近な沼であった印旛沼でしたが、今では日本一汚い沼と言われています。「そんな印旛沼をきれいにしたい」という千葉県に住む学生の想いから、この活動は始まりました。
活動初日は朝から実施する予定でしたが、台風13号の影響により実施中止をせざるを得ませんでした。
その日の夕方に千葉県八千代台駅に学生たちは集合し、宿舎として活動中お借りする大和田排水機場にて結団式を行いました。
結団式の最後には今回の活動のリーダーである中山紗瑛(東洋大学4年)から、「辛いこともあると思うが、最後には涙と笑顔と達成感で終えたい」と挨拶がありました。
活動2日目は晴天で問題なく活動を実施することができました。
千葉県印西市武西集会場へバスで移動し、その後関係者の方々と開会式を行いました。
開会式では関係者である千葉県河川環境課、独立行政法人水資源機構、シノブフーズ千葉工場、パシフィックコンサルタンツ株式会社の方々にも参加していただき激励の言葉を頂きました。
3日間でやる予定だった作業を2日間でやらなければならなくなり、学生たちも不安な気持ちを抱えてはいましたが、それを吹き飛ばすくらいの「がんばるんばー!」というかけ声とともに出発しました。
開会式の後神崎川の佐山橋付近で作業を始めました。ナガエツルノゲイトウを一欠片も残さぬようブルーシートで運搬車両までの道のりを作り、学生と関係者の方々が連携して除去作業を行いました。
午後からは事前に募集していた一般参加者29名の方々と一緒に作業をしました。
活動に参加した地元の高校生からは、「もともと学校の課題で外来植物に関する調べ物をしており、今回のような機会があったため参加した。作業は大変だったが自分が調べているものを実際に触れることができ、貴重な機会となった」という感想がありました。
作業終了後、八千代市のバーベキュー会場に移動し学生、関係者の方々、一般参加の方々との交流会が開かれました。
交流会では印旛沼について、ナガエツルノゲイトウについて作業中には話しきれなかった話を教えていただき学生たちは知識を深めました。
活動最終日の3日目は主に3つの活動場所に分かれて作業しました。
全てのナガエツルノゲイトウを除去できるか不安な面もありましたが、今までの作業の反省点をそれぞれが活かし作業時間内に完全駆除を果たすことができました。
初日リーダーからの言葉のように作業を終えた学生たちには涙と笑顔と達成感で溢れていました。
作業終了後、大和田排水機場で関係者の方々と事後勉強会を行い、今回の活動で感じたことやこの活動の未来について話し合い、共有しました。
また、印旛沼流域水循環健全化会議生態系ワーキング座長で東邦大学教授の長谷川雅美さんから、「生態系ワーキングとしてこの先も関係を続けていきたい。この先どうするかはみなさんと考えていきたい」というお言葉を頂きました。
会の最後にはリーダーの中山より「ナガエツルノゲイトウの完全駆除をもってこの活動は一区切りつくが、この関係を切らすことなく今後も活動していってほしい」と挨拶があり、3日間の活動が終了しました。
最後になりましたが、この活動では多くの行政や団体、企業、地域住民の皆様に多大なご協力をいただきました。深く感謝申し上げます。
そして今年度の活動をもって一区切りとはなりますが、印旛沼を地元の方々にとって身近な沼にするため今後も活動していきます。今後ともよろしくお願いいたします。(東洋大学3年 上野 日菜子)