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三重県熊野市流木撤去活動

 2月14日(火)から17日(金)まで4日間、三重県熊野市の大泊海岸において三重県熊野市流木撤去活動が行われました。114名のIVUSAの学生に加え、多くの一般参加者、熊野市民の方、他のボランティア団体の方が様々な形で活動に参加しました。
 2月11日から、IVUSAの学生9名による先発隊や熊野市民の方々、主にチェーンソーを用いた活動を行うボランティア団体の熊野レストレーションの方々によって作業が開始されており、14日の時点では砂浜の7割ほどの作業は終了していました。14日、15日の作業で、砂浜にあった流木の山は9割以上撤去することができ、16日以降は小さな流木を拾う作業を行いました。
 活動中の主な作業は、流木をかき集め、それを大きな袋や一輪車で流木の集積所まで運ぶことでした。地味な作業でしたが、掛け声と共に元気よく作業を行えました。

活動の様子。
 また、一部の学生は砂浜に埋もれた流木を掘り起こし、それを撤去しました。中には丸太のような巨木もありましたが、チェーンソーで運べる大きさに切って撤去しました。
 最終日の午前中は、大多数の学生で小さな流木を拾う仕上げの作業を行い、流木撤去活動を終えました。

流木を掘り起こす様子。

活動後の砂浜。
 活動中は、他のボランティア団体の方や地元の方が炊き出しをしてくださったり、団子やドーナツなどの差し入れをいただいたりしました。また、地元の方からはたくさんの食材をいただき、学生の流木撤去活動のエネルギー源となりました。
 活動最終日の午後は、地元の方を交えての慰労会が開かれました。歓談や様々な催しを楽しみ、また、IVUSAからは熊野市民の方へよさこいソーランのダンスを披露しました。慰労会に来ていただいた住民の中には、「また熊野に来てね」「夏の花火大会絶対来いよ」と声をかけてくださる方や、泣きながら「本当にありがとう」と言ってくださる方もいました。

慰労会の様子。

全体写真。
 この活動はIVUSAの力だけではなく、地元の方を含む多くの方の様々な助力があったからこそ行うことができました。流木撤去活動や慰労会を通じて、多くの方との縁を築けた活動でした。(立命館大学2年 谷口 祥太)

【プロジェクトリーダーより】
 2月14日から17日の4日間、IVUSA学生114名とたくさんの地元の方との協力で大泊海水浴場の流木を完全撤去することができました。
 9月4日に発生した台風12号。会員から熊野市に暮らす祖母が被災したという連絡を受け、9月8日から10月25日まで、家財の運びだしや、がれき撤去など全6回の災害救援活動を行ないました。関係は活動が終わった後も続き、熊野のみかんを箱いっぱいに送ってくださったり、たくさんのお手紙をいただいたり、「孫ができたみたいだよ」とかわいがってくださいました。一度きりの「ボランティアと被災者」という関係ではなく、まるで家族のような確かな「絆」が生まれていました。
 今回活動した大泊海水浴場は地元の方に愛される美しい海水浴場です。その海水浴場が大量の流木に覆われ、見るも無残な姿になっていました。地元の方たちも被災から5ヶ月以上が経ち普段どおりの生活を取り戻しつつありました。しかし、あの砂浜を見るたびに被災の傷を思い出すとおっしゃっていました。そのような経緯もあり、今回のこの活動には特別な想いと、必ず完全撤去をするという責任を感じておりました。
 5ヶ月経った今も、道路などの復旧が全く進んでいない地域もあり、まだまだ「復興」が遠い熊野。重機も扱えない、専門的な力もない私たち学生のできる支援は微力かもしれません。しかし、物質的な復旧が進む中、学生にしかできない支援を行なおうと、「必ず最後に愛は勝つ」をコンセプトに活動させていただきました。
 しかし、熊野のみなさんが温かく迎えてくださり、炊き出しやたくさんの差し入れなど、活動のバックアップをしていただき、私たちの方がたくさんの温かい愛とご支援をいただいた「感謝」のたくさんつまった隊になりました。大泊区長の向井様からも、「あきらめていた海開きを今すぐにでも行ないたいくらいだよ」とお言葉をいただき、「愛は勝つ!」を実現できたことをうれしく思います。
 熊野では、毎年8月に「熊野大花火大会」が行なわれます。熊野のお父さん、お母さんたちに必ず帰ってきなさいといわれました。そのときは「ただいま」「おかえり」と言おうと約束しています。今回の活動をご支援してくださった全ての皆様に心より御礼申し上げます。(立命館大学4年 西 夏希)