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利島活性化活動2018

 8月2日から6日にかけて利島活性化活動2018が行われました。この活動は、前半隊、後半隊に分かれており、2日から6日にかけての前半隊に学生43名、事務局員1名が参加しました。

 利島とは東京都の伊豆七島の1つであり、椿油生産量全国1位の緑溢れる自然豊かな島です。利島では、ヤブ椿の椿油を250年以上前から島の主産業としてきましたが、近年高齢化により、椿油生産の存続が危ぶまれています。
 利島活性化活動2018では、「利島との関係性を深化させた上で、利島とIVUSAの展望を開く」 を目的として掲げ、活動しました。昨年度の活動は台風の影響により中止となったため、IVUSAの活動としては約2年ぶりに利島村を訪れました。

 今回の活動では8つの現場に分かれて主に10月から12月に落ちる椿の実を回収しやすくするために、椿の落ち葉をかき、その後直径2mほどの大きさの山を数カ所つくり、かき集めた落ち葉に火をつけ燃やす「きっぱらい」という作業や台風で落ちてしまった椿の種を集める作業をしました。

 3日間の作業日の間、学生たちは各現場の作業を行うとともに、今後の利島についてや、椿産業のこれからなどを考え、その中で利島の方々との仲や信頼関係を築いていきました。

 今回の活動では目的にも含まれている「利島とIVUSAの展望を開く」を達成させ、次へと繋げるために利島での活動初日には利島の方々との交流会、2日目には利島勉強会を3日目には作業の成果報告、そして最終日には利島展望会が行われました。

 2日目に行われた利島勉強会では多くの利島の方々に来ていただき、学生と利島の方と「椿産業の後継者不足解決のために、今後利島とIVUSAでどのようなことをしていけるのか」について話し合いました。
 この勉強会では学生からの目線と利島に住んでいる方の目線での意見交換をすることができ、改めて利島の魅力に触れ真剣に利島を考える有意義な時間となりました。

 3日目の夜にはお世話になったカウンターパートさんや利島の方々にお越しいただき、現場ごとの作業の成果報告が行われました。成果報告では各現場においてのニーズに対してどれくらい終えることが出来たのか、またニーズ以外にも各現場での農家さんとの関係性などの報告がありました。
 成果報告では多くの現場がニーズを完遂することができたという報告とともに、3日間の中で感じたことや農家さんから頂いた言葉などを思い出し涙ぐむ学生も多くみられました。3日間という短い作業日のなかで学生と農家さんとの間に築き上げられた関係性の深さを感じられました。

 最終日4日目には利島の未来について考える利島展望会が行われました。利島展望会では利島とIVUSAの今後の3カ年計画書を作成するために各自で提案書を作成しました。
 提案書の作成は利島での3日間の作業や利島の方々との交流やお話、これまでの信頼から聞けたお話をもとに提案書を書きました。提案書の内容や方向性は様々で、この4日間で学生が利島で感じたことやこれからの利島の未来について考えていることを伺えるものでした。

 学生が利島を離れる出航の際には、受け入れて下さったすべての農家さんがお見送りに来てくださいました。農家さんと学生たちは最後の挨拶をかわし、涙を浮かべる者が多くいました。港を後にしながら、利島での日々を思い出し、想いを馳せながら終始学生たちは手をふり続け、別れを惜しんでいました。

 下船後の解団式では、活動のリーダーである鈴木愛(東洋大学4年)から、「今回の活動ではみんな考えちぎったと思う。悔しい思いをした人もいると思うけどその思いを忘れずに次に繋げていってほしい」との挨拶で締めくくりました。

 今回の活動は台風の影響で予定されていた後半隊が中止になり、利島に訪れたことのある学生が減ってしまった事実を変えることはできません。
 しかし前半隊では農家さんからのニーズ完遂や受け入れて下さった農家さん全員にお見送りに来ていただくということが達成され、目的に掲げていた利島とIVUSAの関係性を深めることが出来た活動になりました。
 後半隊が中止になったという悔しさをバネに来年の活動に向けて学生たちが新たに成長した姿を見せに、そしてこの気持ちを胸に利島へむかいます。(同志社大学3年 堀川 智香子)