NPO法人国際ボランティア学生協会公式ウェブサイト

会員の方はこちらから

>ID/パスワードを忘れた方はこちらから



沖縄県戦没者遺骨収集活動2018

 2018年2月20日から2月26日にかけ、全国から学生170名、沖縄県内の学生7名、事務局員2名の計179名が参加し、沖縄県にて遺骨収集活動と平和学習をしました。

 今回の活動の目的は、学生たちが過去の戦争の凄惨さを学び、今の沖縄を見て感じることで、学生一人ひとりがそれぞれの生き方について考えることです。
 また遺骨収集において、沖縄戦で亡くされたご遺族の伯父さんのご遺骨をお迎えする活動でもありました。

 初日、那覇空港に集まった関西・関東の学生たちは、バスで宿舎に移動し結団式をしました。
 結団式では、マリアナ諸島の遺骨収集派遣に参加した学生の話を共有し、学生たちはこれから始まる活動の重要性や遺族の方々の想いを背負った活動であると改めて実感しました。

 2日目、3つのコースに分かれて平和関連施設の見学をしました。対馬丸記念館、ひめゆり平和祈念資料館、嘉数高台公園、旧海軍司令部壕のそれぞれ異なった背景を持つ施設で学生たちは事実を見つめ、当時の人々に想いを馳せていました。

 その後、沖縄大学にて、上地教授の講演を拝聴しました。沖縄県にある今の課題とこれからを考えさせられる内容であり、学生たちは沖縄県の”これから”と自分たちの”これから”を重ねていました。

 3日目から5日目まで、ご遺族の方々への想いを胸に遺骨収集活動をしました。
 時折雨が降りしきる悪天候のなか、学生たちは草木が生い茂る山林に入り、濡れた土一帯をスコップで掘り、新しい壕を捜索する作業も並行して実施しました。

 新しい壕は見つかりましたが、ご遺族の伯父さんのご遺骨をお迎えすることができないまま、活動最終日を迎えました。
 学生は「どこにご遺骨が眠っているのか分からず、自分の無力さを感じた。でも、帰りを待っているご遺族の気持ちを想い、最後まで活動に取り組みたい」と語っていました。

 結果、共に戦った仲間と思われる3柱のご遺骨をお迎えすることができました。
 活動を終えた学生からは「ご遺骨が眠っている場所を探し出すのも、それからご遺骨をお迎えするのも難しい」と遺骨収集の経験から感じた難しさを語り、3日間の遺骨収集活動は終了しました。

 6日目、平和祈念公園にて慰霊式典が行われました。沖縄を守り抜いた御霊への追弔の意を込めて黙祷を行いました。

 その後、地元の中高生による現代版組踊「肝高の阿麻和利」を鑑賞しました。
 中高生の力強いパフォーマンスに魅せられ、1つのことを諦めず一生懸命になる姿に学生たちは感動し、涙を流す者もいました。

 最終日の解団式では、プロジェクトマネージャーの大野恵莉菜(同志社大学 4年)から「活動をするだけでなく、この経験を一人ひとりの生き方に繋げていってほしい」という言葉で、締めくくられました。

 「時代を繋ぎ、今を生きる」をコンセプトとして掲げていた今回の活動。自分たちには何ができるのか、そしてどのように生きていくのかなど、感じたことや考えたことを学生たちの生きていくうえでの「一歩」とし、これからに繋げていきます。(中央大学4年 板倉 広起)

【プロジェクトマネージャーより】
 戦争経験のない私たちは、当時の出来事や、当時を生きていた人が考えていた事を本当の意味で知ることはできません。
 しかし、「戦争だから」とか関係なく、人が人を想う気持ちはいつの時代も変わらない。その想いは時代を超えて、残り続けます。その気持ちが分かる私たちだからこそ、想いを未来へ繋ぎ、一人ひとりが出来ること、「今を生きる」ということを大切に、生きていきたいと思います。(同志社大学4年 大野 恵莉菜)