8月30日(木)から9月2日(日)の4日間にかけて、第11回九十九里浜全域清掃大作戦が千葉県九十九里浜海岸にて行われました。今回の清掃活動はIVUSA会員約300名と、KBAスクール、ぬく森クラブ、かめっこクラブ、げんきっこクラブの学童の子どもたち約100人の、合計約400人で行われました。
11回目を迎える今回の隊のコンセプトは「きっかけ」でした。九十九里浜の将来を担う地元の子どもたちと一緒に清掃活動を行うことによって、子どもたちにもっと地元を好きになって、豊かな心を育んでもらうとともに、更に現在の九十九里浜の環境状況について考えてもらい、将来的に九十九里浜が綺麗な海岸になるような行動を起こしてもらうことに重点をおきました。また、この活動を見た地元の方々の清掃活動の啓発や観光客のごみに対しての意識を高めることも目標としています。
活動全日、幸運にも天候に恵まれ、同時に厳しい暑さの中でしたが、学生と子どもたちは楽しみながら、元気に清掃活動を行いました。基本的に午前中から活動を開始し、夕方に終了するといった、話ながら歩くようなペースでごみを拾いました。
しかし、海岸沿いの炎天下の中でごみを拾い続けるのは楽なことではありません。一人で行ったら心が折れてしまうような作業です。そこで、仲間の大切さを実感することが出来ました。辛い時にこそ、励まし合い、叱咤激励し合あえるのが仲間です。
この活動は一人で行っているのではなく、様々な方のご協力によって、チームで活動しているのです。活動2日目には山武市の役職職員の村井様、川島様他数名の方々に車で隊の見守りをしていただき、更に分別の指導、ごみ袋の補充、具合が悪くなった人を休憩所まで車で搬送していただきました。
ごみを拾い続けていると、このごみが海藻や流木の様に自然に発生したものばかりではないことに気が付きます。それらはたばこや花火の残りなど、人為的に発生したごみです。これは人間が海へ持って来て、持ち帰らずに放置したために発生したごみです。
なぜごみを持って帰らないのでしょう。海は誰かのものではありません。地球の、人類の、皆の海なのです。このごみは環境に影響を与えるのはもちろん、景観を損ない、また、海の生態系への被害にもつながります。
清掃最終日、波打ち際で一匹の亀の死体がありました。今まで清掃に対して意欲的ではなかった子ども2人が、その亀を見て「どうしてこの亀は死んでいるの?」と大学生に質問しました。大学生は「海岸がごみで汚れていると、亀はそのごみを餌だと思って間違えて食べちゃって死んじゃうんだよ。」とわかりやすく説明していました。実際、亀がクラゲだと思って食べたのがビニール袋で、それを喉に詰まらせ亡くなるケースがとても多く、ウミガメの絶滅の原因の一つでもあると言われています。
その説明を聞いた子どもの一人が亀を見つめ、「俺、毎日ごみを拾うよ。」と口に出しました。とある子は、「IVUSAと活動してしばらくはごみを拾う癖が抜けないよね。」と、また、とある子は「打ち上げをやるよ!」と言ったら「ごみ捨てちゃだめだよ!」と言ってくれて、何気ない会話の中でそういう言葉を聞くことが出来ました。
それはスローガンでもある「拾う心より捨てない心」をたった3日間の間でも子どもたちの心に残すこと、伝えることが出来た、何よりの証だと思っています。今後ももっともっと多くの子どもたちの心にこの思いを残し、「拾う心より捨てない心」を伝えていけたらと思います。(東京家政大学3年 山口 夏実)
【プロジェクトリーダーより】
第11回目の九十九里浜全域清掃大作戦では、今回の活動を通してまずは自分の周りで起こっていることに対して関心を持ち行動を起こすきっかけを作りたいと思い、「きっかけ」というコンセプトを掲げました。
九十九里浜を地元とする子どもたちが、社会で起こっていることに対して「自分とは無関係」と切り離して捉えるのではなく、自身が生きている社会で起こっている我が事として捉えてほしいという願いを込めて活動当日に挑みました。
活動当日は、九十九里浜を地元とする子どもたち約100名と共に汗を流し、10市町村にわたる九十九里浜の清掃を行うことができました。また、今年度初の試みとして当協会と地元の学童の子どもによる合同司会の交流会を行い、大縄大会や学童の子どもたちのよさこい披露など、楽しい時間を過ごすことができました。
交流会の途中では雨が降り中断という形になりましたが、子どもたちにとっても大学生にとっても、心に残る時間になったのではないかと思います。
今回の活動では、事前調整の段階から学童の子どもたちを巻き込み、1月から月に1回のペースで一緒に会議を行ってきました。将来の九十九里浜を担っていく子どもたちと共に、事前準備の段階から調整を重ね、8月には「防災キャンプ」を実施することができ、今後に繋がる活動ができたのではないかと思っています。大学生も、子どもたちから沢山の事を学ばせていただきました。
最後になりましたが、今回の活動では本当に多くの方々からご協力を頂きました。
今年度新たな「きっかけ」を作ることができたのも、今までの活動、そして多くの方々との出逢いがあったからです。本当にありがとうございました。(フェリス女学院大学4年 石丸 実季)
【協賛一覧】
赤穂化成株式会社
株式会社健康体力研究所
株式会社マンナンライフ
カルピス株式会社
サッポロ飲料株式会社
三立製菓株式会社
相日防災株式会社
日本たばこ産業株式会社
山芳製菓株式会社
ライオン菓子株式会社
【ゴミ袋総数】
1,008袋