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三重県熊野市大花火大会2012活性化活動

 8月13日(月)から18日(土)まで、三重県熊野市大花火大会2012活性化活動が行われ、学生28名と事務局スタッフ1名が参加しました。
 熊野市は、昨年9月に発生した台風12号により土砂崩れや浸水など甚大な水害を被りました。IVUSAから幾度に渡って災害救援が派遣され、その際にできた繋がりによって今回の活動が始まりました。
 6日間のうちの2日間は、「さとやま農園」にて耕作放棄地の整備作業に取り組みました。「さとやま農園」の田畑 公志さんとは6月に行われた梅の収穫活動の際に出会い、今回の活動でも関わらせていただきました。
 作業場は身長よりも高いような草がうっそうと生えていて、向こう側が見えないような状態でした。あまり使い慣れない鎌や手ノコを使って根本の堅い草を刈る作業は難しかったですが、それでも皆で声を掛け合ったりしてひたすらに草を刈り続けました。

 お昼の休憩時には、作業場の近くの「引作の大楠」という大きな杉の木まで連れていっていただき、木の下で昼食をとりました。涼しい上に景色も綺麗で、心も体も安らげました。
 作業の最後には、見晴の良いところまで連れていただいて、改めて活動の成果を自分たちの目で見ることができました。

 夜には、地元の方々と交流会も行われました。地元のみかん、特製の料理などたくさんの差し入れを用意してくださいました。熊野についてはもちろん、身近な話題まで、たくさんのお話を聞くことができました。
 花火大会の運営のお手伝いは、3日間活動させていただきました。
 大会の前には、熊野市観光協会や熊野市職員の方々と共に、七里御浜にて有料浜席の設置作業に取り組み、大会当日にはグッズ販売、駅前や浜席での案内係、花火大会運営募金の呼びかけ、本部補助業務などに分かれ、運営のお手伝いをしました。大会当日は天気が心配されていましたが、見事な快晴の中で業務に就くことができました。

 そして、午後7時から待ちに待った花火が打ち上げられました。多種多様な花火が打ち上げられましたが、中でも三尺玉海上自爆花火はこちらに火の粉が飛んでくるのではないかと思うくらいに圧巻でした。

 熊野大花火大会は元々お盆に初精霊供養のために行われていたとされています。今年のプログラムには、昨年紀伊半島を襲った台風12号による水害の追善も組まれていました。400余年もの歴史がある熊野大花火大会。この歴史深い花火大会に携われたことを本当に有難く思います。
 大会の翌日は有料浜席、立入禁止の杭の撤去作業を行いました。炎天下の中での作業でしたが、地元の方々に水分や軽食をたくさんいただきながら、やり遂げることができました。
 28人という少人数で活動し、長くも短い、そして濃い6日間となりました。同時に熊野の方々の温かさを強く感じました。更にこれから先も繋がり続けていけるように、この熊野との絆を大切にしていきたいです。(同志社女子大学2年 N・K)
【プロジェクト・リーダーより】
 「熊野が好き!」
 これは今回の活動の軸となり、また掛け声としても使用した一言です。昨年9月の災害救援活動時より良くしてくださる地元の方々に対する感謝の気持ちをもって取り組めるよう、また復旧期から復興期への過渡期にある今だからこそ、地元の方々と今後の熊野を一緒に考えられるよう準備をしてきましたが、活動の動機となったのは、根底に強くあった「熊野を好きになってほしい」という純粋な想いでした。
 活動期間は5泊6日と少々長く、早朝からの長時間に及ぶ作業もあったのですが、隊員たちは疲れを見せず一生懸命取り組んでくれました。耕作放棄地での作業をサポートしてくださった農園の方から「皆様の礼儀正しさ、作業に対する熱心な姿勢を拝見し、感動しました。おかげさまで、農業を始めたころの情熱が心の中に蘇ってきました」とお便りを戴けたのも、地元の方からの「あの学生ボランティアはありがたかった」と花火大会の運営を評価してくださる声が聞けたのも、学生の熱意が生んだ成果であったと受け止めております。

 今回一番嬉しかった言葉は、「熊野を好きになってくれてありがとう。」熊野を訪れるたびに新たな出会いがあり、新たな活動の話が出ますが、こうして自分たちの事を信頼し、次に繋いでくださる皆さんに心から感謝を申し上げます。こうした継続的な活動が、熊野の魅力を多くの人に伝え、結果的に復興や地域活性というものに繋がれば幸いです。今回の活動は終了しましたが、引き続き熊野との素敵な関係が末永く続くことを願って、まずはお礼と報告を兼ねた集合写真付きの手紙を送りたいと思います。
 活動の幅は未知数。まだまだこれからです。(立命館大学4年 横田 直也)