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京都府宮津市阿蘇海清掃活動

 3月17日から18日にかけて、京都府宮津市にて阿蘇海清掃活動が行われ、学生34名が参加しました。

 阿蘇海は京都府宮津市、与謝郡与謝野町にまたがる、天橋立によって日本海の宮津湾から仕切られてできた内海のことで、近年、生活排水等により水質が悪化しています。特に、水質悪化による牡蠣の大量発生、そしてその腐敗による悪臭、景観悪化が問題となっています。また、河川に投棄されたごみが阿蘇海に流れ込む漂着ごみの問題も後を絶ちません。
 「京都の自然は京都の学生が守りたい」と考えた一学生がこれらの問題に目を向けたことを契機に、白砂青松の天橋立を後世に残し、現地の方とともに環境保全の認識と理解を深めることを目的として、この活動が行われました。

 活動1日目は、阿蘇海の沿岸部にある阿蘇シーサイドパークにて悪臭や景観悪化の原因である牡蠣殻を回収する作業から始まりました。
 学生は、足場の悪い上、牡蠣殻の回収という初めての作業にはじめは苦戦していましたが、作業を進めていく中で、効率の良い方法を学生同士で出し合い、2時間で約5トンの牡蠣殻が回収されました。回収された牡蠣殻はワインに使用するブドウ畑で肥料となります。

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牡蠣殻をすくいあげる学生

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コンテナに回収した牡蠣殻を運搬しています

 昼からは野田川の河川敷で清掃活動を行いました。阿蘇海に流入する野田川に投棄されたごみは、降雨により阿蘇海へと漂着します。
河川敷には空き缶やペットボトルから自転車まで様々なものが投棄されおり、そのごみの多さに学生は驚きの声をあげつつも、ひたすらに全力で収集作業を続けました。その結果、約3トンものごみが収集されました。

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一斉に収集作業を開始します

 夜は、学生が宿舎として利用させていただく吉野茶屋に地域の方々を招き、交流会を行いました。学生はそれぞれ、地域の方々からこの地域の抱える問題を真剣な眼差しで聞き、考え、話し合いつつも、交流会の場は、終始、和やかで暖かな雰囲気が流れていました。

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交流会の様子

 活動2日目の午前中、府中地区の海岸にて、地元のボランティア数十名の方々と漂着ゴミ清掃活動を行いました。河川から漂着してきた葦が砂浜一面を覆っており、ペットボトルやビニール袋をはじめとする漂着物が目立ちました。学生と地元のボランティアの方々が常に声をかけ合いながら作業をすすめている姿が印象的でした。約2時間で辺り一面を覆っていた葦や漂着ゴミは姿を消しました。

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砂浜を覆う葦をかき集める学生と地域の方々

 昼に天橋立ビューランドで天橋立の絶景を堪能し、2日間にわたり活動を行ってきた阿蘇海全体を俯瞰することで、活動最後の作業へと気持ちを切り替えた学生は、午後から文珠地区での牡蠣殻回収作業にのぞみました。
1日目とは異なり中身が入っていない牡蠣殻のみを選別しなければならない牡蠣殻の回収に苦労する様子の学生でしたが、観光客の注目が多く集まっていることもあり、最後まで精を出し作業を続けました。コンテナ30個分の牡蠣殻を回収し終えました。

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牡蠣殻を選別、回収しています

 全ての作業を終え、2日間お世話になった京都府丹後広域振興局の松崎健児さんにお礼を述べました。最後に、松崎さんから「たいていのボランティアの方は一度来て終わりですが、みなさんには1回だけでなく、ぜひともまた来ていただきたいです」との言葉をいただきました。

 活動に行く前は阿蘇海周辺の環境問題だけに目を向けていましたが、2日間の活動を通して、それ以外にも放置竹林や観光客の減少、高齢化など様々な問題を抱えている地域だと気付きました。地域にはやはり若さが必要とされているようで、地域の方から「学生の力はここの住民に刺激を与える」と声をいただきました。
 また、今回の活動の中心であった牡蠣殻回収作業は、機械で行うと年間数億円もの莫大な費用がかかること、住民や観光客への啓発となることを実感し、学生が手作業で行う意味を十分に見出せました。
 今後も学生ならではの立場をいかし、この地域の方が課題を解決していくために新たな視点を加えられる存在となりたいです。(同志社大学3年 田野芹奈)

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活動に参加した学生たち