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>ID/パスワードを忘れた方はこちらから6月29日に滋賀県守山市の赤野井湾で「第3回オオバナミズキンバイ除去大作戦」が行われ、IVUSA学生84名を含む約280名で活動を行いました。
琵琶湖ではオオバナミズキンバイという特定外来植物が2009年に守山市赤野井湾で確認され、当時は140平方メートルだったのが2013年には6万5000平方メートルと4年で460倍に拡大しています。
水中だけでなく陸上にも定着していき、琵琶湖の生態系や漁業への悪影響が懸念され、環境省により6月11日に「特定外来生物」に指定されました。琵琶湖の中でこれ以上拡散しないよう徹底的に駆除していく必要があります。
滋賀県琵琶湖環境部自然環境保全課の中井克樹さんから特定外来植物について説明を受けています
午前中は一般参加者と共に琵琶湖から船にオオバナミズキンバイを引き揚げる班と陸上からオオバナミズキンバイを引き揚げる班、そして引き上げたオオバナミズキンバイを乾燥させるため、船から漁港に引き揚げ広げる班に分かれて活動を行いました。
今回は初めて湖岸に生育しているオオバナミズキンバイの除去も行いました。オオバナミズキンバイは陸地でも生育することができるため、石積み護岸の間にオオバナミズキンバイが落ちないようにブルーシートを敷き、除去を行いました。
オオバナミズキンバイはちぎれた茎からでも繁殖するため、ちぎれた茎を残さないように除去をしないといけません。このことを初めて聞いた参加者は「本当にエーリアンやな」と驚いていました。
オオバナミズキンバイは水分を沢山含んでいて重く、引き揚げたり移動させたりするのは大変ですが、どの活動場所も盛り上がっており、オオバナミズキンバイの除去を楽しんで活動を行うことが出来ました。
午後からは午前中除去しきれなかった内湖とヨシ群落でのオオバナミズキンバイの除去を行いました。ヨシは水質を浄化し、魚の産卵場所となるなど、琵琶湖の環境にとってなくてはならない存在です。しかし、オオバナミズキンバイがヨシの周りを埋め尽くしており、ヨシの芽吹きを抑えることによりヨシの成長を阻害し、また魚が産卵のため近づくことができないという問題が発生しています。
途中、雨というアクシデントにも見舞われましたが、一生懸命オオバナミズキンバイを除去しました。
こうして1日で12トンものオオバナミズキンバイを除去することができ、引き揚げたオオバナミズキンバイは乾燥場所の漁協を埋め尽くしました。
今回の活動はIVUSAに入って初めてのプロジェクトとなった1年生も多く、初めてオオバナミズキンバイについて触れた人もたくさんいました。そして活動の最後に行われた班ミーティングで「オオバナミズキンバイの繁殖力の強さを身をもって知った」「地域の方との協力があってこその活動だと思った」と感想を言ってくれました。
最後になりますが、今回の活動に関わっていただいた皆様、本当にありがとうございました。これからもよろしくおねがいします。(滋賀大学2年 谷 清隆)
【プロジェクトリーダーより】
「知ってもらう」ということ。これが今オオバナミズキンバイの問題で求められています。去年からオオバナミズキンバイの大量繁茂という問題がより多くのメディアで取り上げられることが増え、それに伴ってオオバナミズキンバイの存在自体は知っている人は増えてきたように思います。
しかしまだまだ知らない人も多く、またオオバナミズキンバイがどのような影響を与えているのか。どんな人たちが困っているのか。そのために誰が頑張っているのか。そこまで知っている人はもっと限られるのではないでしょうか。
だから、まずは琵琶湖に現状を見に来てみてください。そして感じてください。
自分の知らないところで自分の知らない問題に困っている人がいます。そしてそんな人たちのために頑張っている人がいます。
どこかで、誰かが、誰かのために戦い続けています。
そんな誰かに私たちはなり続けたい。戦い続けたい。そして一人でも多くの人たちと戦いたい。そう僕は思っています。(立命館大学3年 高木 駿)
【活動参加団体】
認定NPO法人びわこ豊穣の郷(事務局)、玉津小津漁協組合、新守山川を美しくする会、滋賀県庁、滋賀カウンセラー協会、玉津小津学区、積水化成品工業、滋賀銀行
※この活動は平和堂財団環境保全活動助成事業「夏原グラント」の助成を受けて実施しています。