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>ID/パスワードを忘れた方はこちらから3月7日から15日の9日間で学生70名、事務局員2名がカナダ南西部にあるブリティッシュコロンビア州のバンクーバー島、ユークレットにて海洋漂着瓦礫清掃活動を行いました。
震災の際の津波で太平洋へと流出した瓦礫が、昨夏から北米大陸沿岸へ流れ着き始めています。一部報道では、漂着はこれから本格化し年間4万トンを超える量にのぼるともいわれ、生態系への影響も懸念され始めています。今回は日本から流れ着く震災瓦礫で危険にさらされている現実を知ると共に、多くの支援をしてくれたカナダで、日本の学生が日本からの震災瓦礫を清掃することで、今までの支援の感謝の気持ちを示し、両国関係の架け橋になることを目的に行われました。
7日の昼頃バンクーバーに到着し、今回宿泊させていただいたListelHotelに挨拶をさせていただいた後、今回の活動を一緒に作ってくださったJapan Love ProjectやRits Real Japan Projectの方々と結団式を行いました。
Japan Love Projectはバンクーバーの学生達の「何か自分たちにも出来ることがあるはず」「何かしたい」という想いが集まり輪となった学生主体のボランティア団体であり、Rits Real Japan Projectはカナダの人々に本当の日本を知ってもらおうと様々な活動を行っている立命館大学の留学生などで作られている団体です。
8日はListelHotelを出発した後、ユークレットに移動し、バンクーバー州の環境・緊急災害対策本部のマネージャーであり、活動を共にするカーラ・ロビソンさんから、カナダでの漂着物の現状と被害についてブリーフィングを受けました。
9日から11日までは漂着瓦礫清掃活動を行いました。海岸線や島などの様々な現場で作業は行われました。今回の活動では7トン以上の漂着物を清掃することができ、その中には津波で流されたと思われる日本家屋の柱や、日本語が書いてあるスリッパ、ペットボトル、タイヤ、目薬やプランターなどを発見しました。事前に調べた震災漂着物の増加の実態を肌で感じることができました。
現地コーディネーターの方からは「地震が起こった当時に東北に元気を与えていたと言われていたIVUSAの活動を体感することができたよ」という言葉をいただきました。
カナダ時間で3月10日10時46分18秒、日本時間の3月11日14時46分18秒には黙祷式を行い、震災当時の思いなどを隊員の中で共有し、日本の方角を向いて黙祷を行いました。
また、カナダ時間で3月11日にユークレットの方々と追悼式が行われました。追悼式の中でIVUSAが東北で活動を行っている宮城県山元町からユークレットに漂着した杭が受け渡され、自分たちが東北へ行く新たな理由ができました。
12日は地元の小学生たちとの交流をした後、現地での様々な調整を行っていただいたカーラ・ロビソンさんと別れ、ユークレットからバンクーバーへ移動しました。
13日に報告会、交流会が行われました。報告会では、Rits Real Japan Project、Japan Love Project、IVUSAの代表者たちがそれぞれ東日本大震災についてのプレゼンテーションを行いました。交流会では日本の季節についてのプレゼンテーションが行われた後、けん玉や書道などの日本文化をカナダの方々に紹介しました。IVUSAは最後によさこいソーランを披露し、会場を盛り上げました。
活動最終日となる14日はお世話になったListelHotelに挨拶をした後にバンクーバー空港へ向かい、解団式を行いました。現地で調整を行ってくださったJapan Love Projectの方々から「IVUSAと一緒に活動できて本当によかった。また機会があれば」とのお言葉をいただきました。
その後、無事全員帰国し、感動を分かち合いました。
最後になりましたが、今回の活動は Pray for 3.11のモザイクアート写真に参加していただいた1万人の方々をはじめ、Ready For ? で支援をしていただいた方々、現地で調整を行ってくださったカーラさん、Japan Love Projectの方々、共同して企画を作り上げてくれたRits Real Japan Projectの方々、本当に多くの皆様のおかげで今回の活動が成り立ちました。
心から感謝申し上げます。
今回のカナダでの活動では日本という国が国民だけでなく様々な国の方々に支えられているということを体感することができました。私たちはその恩返しをする必要があると改めて思いました。
カナダでの活動は終了しましたが、これからも私達はカナダで感じたことや見たものを活かして、未来へ愛を繋いでいきたいと思います。(龍谷大学2年 角 笙平)
【プロジェクトリーダーより】
私がこのプロジェクトを作りたいと思ったのは、東日本大震災の時に多くの人や国が、日本を応援していたということを知ったからです。
日本人として東日本大震災に関わっていた者として、カナダにあのときの感謝の気持ちを表したいと思いました。
また、震災から3年が経つ現在、日本の人は、海外の人は、あのときのことをどう考えているのかを知りたいとも思いました。
プロジェクトが終わり実感することは、やはり日本という国は多くの国の支えの中で生きているし、これからも生きていくということです。
カナダでの活動中、多くの人が私たちを支えてくださり、また東日本大震災のメモリアルイベントの時もカナダの人々の日本を思う気持ちがひしひしと伝わってきました。感謝を伝えに行った活動なのに、多くの感謝の気持ちを感じるプロジェクトでした。
この時代に生きた日本人として、私たちが今後もカナダと日本の未来を考え、お互いの社会問題を解決しあうパートナーとしてできることを考えていきたいと思っています。(立命館大学4年 尾池 祐亮)