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滋賀県守山市でPESSVA(住民の生態系サービス共有価値評価)ワークショップに参加しました

 8月7日に滋賀県守山市で来日PESSVAワークショップが開催され、IVUSA学生2名、OB1名が参加しました。PESSVAとは、 Participatory Ecosystem Services Shared Value Assessmentの略で、「住民の生態系サービス共有価値評価」という意味です。

 今回はマレーシア首都圏湖沼流域管理関係者に、琵琶湖での湖沼利害関係者が連携した取り組みや湖沼環境管理の事例から湖沼管理における「住民参加」の重要性を伝えることを目的に公益財団法人国際湖沼環境委員会(ILEC)が主体となり実施され、認定NPO法人びわこ豊穣の郷とIVUSAより守山市赤野井湾での地域連携した取組みを紹介しました。

 まずは守山市ほたるの森資料館にて、挨拶と赤野井湾での取組みを紹介しました。
 認定NPO法人びわこ豊穣の郷の発表では、団体の成り立ちや赤野井湾流域での地域と連携した清掃活動や次世代育成の取組みの紹介がありました。子どもを対象とした環境学習会や目田川河川モデル作りを通じた環境意識を育む土台作りや、赤野井湾湖底ごみ除去、オオバナミズキンバイ除去などの紹介もありました。

 IVUSAからは東夏菜(立命館大学2年)が、オオバナミズキンバイ除去活動の歴史や概要について発表しました。
 オオバナミズキンバイは、琵琶湖の生態系に大きな影響を与えている外来植物の一つで、2014年に環境省から特定外来生物に指定されています。IVUSAは2013年より守山市の行政、地域NPO、漁業関係者と連携してこの問題に立ち向かい、赤野井湾のオオバナミズキンバイを大幅に減らし、琵琶湖固有の水産資源回復に繋がっていることを紹介しました。

 また多くの人にオオバナミズキンバイを知る機会を作り、危険性を理解し、住民参加で早期発見・早期除去をすることが重要であることを伝えました。
また、少しでも早く琵琶湖全体のオオバナミズキンバイ完全除去が達成できるように、IVUSAでも、より多くの学生を巻き込んで活動していくことをお話しました。

 意見交換では、マレーシアの方々から母国のプトラジャヤ市では、オオバナミズキンバイを利用して水質を浄化する植生浄化として活用している話がありました。琵琶湖が生態系、淡水魚を守る管理をしている一方で、マレーシアのプトラジャヤ市では湖沼管理が観光、レジャー目的が主であるとの話もあり、今までオオバナミズキンバイは除去しなければいけないという認識しかなかったため、水質改善に利用されていると知り、とても新鮮であり興味深かったです。

 守山市内の目田川に移動し、目田川で環境保全活動に取り組んでいる小中学生の団体「目田レンジャー」の小学生2人も、マレーシアの方と英語を用いて、目田川の生き物やレンジャーの取り組みを紹介していました。子どもたちは目田川や琵琶湖の環境について詳しく、子どもたちも積極的に意見交換をしてました。

 続いて赤野井湾に移動し、IVUSAより赤野井湾の湖岸堤防の開発や生態系、水環境の変化、地域連携による水環境改善、湖底ゴミ清掃等による水産資源回復の取組みについてお話をしました。そして、IVUSAが主に関わっているオオバナミズキンバイ除去活動についても紹介し、地域連携がしてオオバナミズキンバイの除去、早期発見、早期除去に取り組み、赤野井湾の再生に取り組んでいることも紹介しました。

【参加した学生の感想】
 私はこれまで赤野井湾でのオオバナミズキンバイの除去活動に2回参加しました。
 今回、もっと色んな角度から国内外の湖沼関係者のお話を聞いてみたいと考えこのワークショップに参加しました。
 私たちの発表に対して、マレーシアの方々が琵琶湖の外来水草問題や、それらに対するIVUSAのオオバナミズキンバイ除去活動の取組みの話をとても興味を持って聞いて頂けたことがとても印象的でした。
 また認定NPO法人びわこ豊穣の郷の発表を聞き、目田川の視察に同行し、オオバナミズキンバイ以外にも子どもたちも含めて、川や湖底ゴミなど、あらゆる側面から赤野井湾の保全活動に地域の方々が取り組んでいることを初めて知ったことも刺激になりました。(龍谷大学2年 高橋 希望)