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>ID/パスワードを忘れた方はこちらから8月27日に滋賀県守山市の赤野井湾で、玉津小津漁業協同組合の漁師13名、IVUSAの学生2名、合計15名が特定外来生物オオバナミズキンバイ(以下オオバナ)の除去活動を実施しました。
今回の活動場所である赤野井湾は、琵琶湖の固有種を含む魚の産卵場所になっており、かつては「魚島」と呼ばれていたほど、日本でも有数の漁獲量を誇っていました。
しかし、大水害を防ぐ目的で実施された河川の流路変更、湾口部の消波堤建設や外来魚の増加、水草の大量繁茂により漁獲量が多く落ち込みました。更に近年オオバナの繁殖により、魚が産卵に利用する在来種であるヨシの生育も阻まれ、産卵場所が奪われ漁獲量減少の大きな要因の一つとなっています。そこで今回は、浮産卵床のヨシに生息するオオバナの完全除去を目的に、活動を実施しました。
赤野井漁港に集合し、そこから船1艘につき2名が乗り、2人一組となり、今回の活動場所である沖合の浮産卵床へと向かいました。現場にはオオバナやその他の外来生物が一面に繁殖しており、浮産卵床は緑で覆われていました。船上からだけはなく、入水し、オオバナを取り残すことがないよう慎重かつ丁寧に回収しました。緑色で覆われていた浮産卵床も、次第に元の姿に戻っていきました。
回収したオオバナは船で漁港まで運び、重機を用いて陸へと引き上げました。オオバナは回収後、焼却する必要があります。しかし、水分を含んだまま焼却炉に投入すると、炉内の温度が下がり、ダイオキシンの発生要因になります。そのため、乾燥させるためにオオバナを薄く広げ、天日干しさせました。
約2時間の活動で、約6トンのオオバナを回収しました。これだけの量を回収できるほどオオバナが繁殖していますが、今回私がご一緒させていただいた漁師の方は、「赤野井湾のオオバナは少なくなったほうだ」とおっしゃっていました。
僅か15名という人数で、これほどの成果を挙げることができたのは、漁師の皆様が日頃からオオバナの除去活動に尽力されており、そこで培ってこられたノウハウを私たち学生に教えてくださったからだと考えております。
私は、漁師の皆様とIVUSAの学生がオオバナを完全除去するという目的のために心を一つにすれば、とてつもない力を発揮するのだと、今回の活動で実感いたしました。
“誰かがやってくれる”ではなく、“自分たちがやるんだ”という意識を持ち、環境問題の解決を担う世代の一員として、今後も活動していきます。
最後になりますが、今回の活動を実施するにあたりご協力いただきました、玉津小津漁業協同組合の皆様、誠にありがとうございました。今後とも宜しくお願い申し上げます。(龍谷大学1年 鈴木 広太)