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岡山県備前市日生諸島活性化活動

 3月3日から3月6日まで、岡山県備前市日生町で岡山県備前市日生諸島活性化活動を実施しました。学生87名、事務局1名の計88名が参加し、「住民参加型の里海のテーマパークを作る」ことを活動の目的としました。

 初日は日生町頭島に到着後、開会式を実施しました。リーダーの明浄尊翔(同志社大学3年)から活動に対する想いと目的についての説明があり、本活動の最終地点を再確認しました。

 その後、備前緑陽高校の生徒と共に、拾ったごみを得点化して競う「里海んピック」を行いました。
 頭島内の名所を巡るフィールドワークと並行して、プラスチックごみ、燃えるごみ、燃えないごみ、牡蠣の養殖に使用するためのマメを拾い、隊員たちは頭島の魅力を発見しながら総計約135kgのごみを拾うことができました。

 2日目は頭島の隣にある大多府島での海岸清掃活動をしました。活動場所では流れ着いたペットボトルなどのプラスチックごみが多く見られました。

 日生諸島にとって海は大きな資源です。地域の方から、「今回清掃場所の一つが日生の里海を守る、自然のアマモが最後まで残っていた場所だ」とお話があり、今回の海岸清掃が里海を守ることに繋がることを実感しました。

 3日目は日生町漁業協同組合専務理事の天倉辰己さんによる里海講習会をしていただきました。
 日生町では30年以上にわたり「海のゆりかご」とも呼ばれるアマモの再生活動を行ってきました。天倉さんから「海の環境が豊かになると同時に、人が集まって町も豊かにするのが本来の里海だと思う。」と言葉をいただき、より里海に対する理解が深まりました。

 その後、海ごみアートのお披露目会、チヌ(クロダイ)に関する活動と牡蠣養殖で使用するロープ清掃の3つの現場にて活動しました。
 この海ごみアートとは、学生と地域の方とIVUSA学生が共同して作成したもので、使わなくなったカヤックを瀬戸内海で獲れるサワラに見立て、海ごみの現状を表現したものです。

 チヌの活動では、午前に学んだ里海に関連して、チヌが牡蠣の稚貝を食べてしまうことで起こる問題や、日生ではあまり食べられることのないチヌのおいしさを伝えるために、チヌの捌き方の講習を受けました。また、実際にチヌを味わい、意見を出し合いました。
 チヌを食べることでこの問題を解決しようと啓発ポスターの作成をしました。

 ロープ清掃の現場では、県内有数の収穫量を誇る牡蠣養殖で使用するロープの清掃を一日かけて清掃しました。船に乗って実際の養殖場を訪れた学生もおり、養殖作業の一部を近くで見ることができました。

 4日目は、宿舎清掃とひなせうみラボでの活動の2つの現場に分かれて活動しました。 ひなせうみラボは海洋教育・海洋体験・海洋研究の三つの柱に「子ども達を海に」を合言葉に知る・学ぶ・体験できる施設です。ここでは、主に海岸で牡蠣の養殖に使用するまめかんの回収作業、ひなせうみラボからの景色を良くするため邪魔となる木の枝を切る作業をしました。

 作業終了後は、ひなせうみラボを運営する一般社団法人みんなでびぜんの代表理事の船橋美可さんから、岡山県備前市日生町が取り組むSDGsの取り組みについてのお話を全員でお聞きしました。

 その後、閉会式を行いました。活動のリーダーである明浄尊翔 (同志社大学3年) から、 「今回の活動一つひとつが全て住民参加型の里海のテーマパークをつくるという目的につながっている。これからも里海のために何ができるか考えていきましょう」と挨拶があり、活動は終了しました。

 最後に、備前市役所の方々、ひなせうみラボ、日生町漁業協同組合の方々をはじめとする多くの関係者のご協力があり、本活動を実施することができました。関わってくださった全ての方に感謝申し上げます。(同志社大学3年 山田 健登)