会員の方はこちらから
>ID/パスワードを忘れた方はこちらから1月23日、兵庫県淡路島五色町で淡路島のため池保全推進セミナー「農業被害をもたらす侵略的外来水草 (ナガエツルノゲイトウ(以下ナガエ))は駆除できるのか?」が開催され、地元自治体、周辺住民約30名が参加し、IVUSAから学生2名、卒業生1名も参加しました。
今回のセミナーは、淡路島五色町の本田池でナガエが繁殖し、甚大な農業被害を及ぼす可能性があることから、農作物への影響や駆除対策についての専門家による講習会を、地元自治体、農家、周辺住民向けに開催されました。
まず、エコロジー研究所の丸井英幹さんから話題提供がありました。ナガエの特性として、乾燥に強く、陸上でも生え、茎の節からでも根や芽を出すことができる特異な生態があり、刈払機や土にすき込む等の雑草の駆除方法では、むしろ爆発的な繁殖の手助けをしてしまい、世界で駆除に成功した事例は殆どないとのことでした。
兵庫県では、1989年に武庫川水系で初めて発見され、近年、瀬戸川水系、加古川水系等でも発見されるなど、分布の拡大が続いており、ここ洲本市の本田池でも確認されました。
今回、本田池のナガエ駆除が計画され、池の底のナガエをゴム製の遮光シートで覆い、光合成を妨げて枯死させる方法で完全駆除を目指していくという話がありました。
そして実際に本田池を直接見るフィールドワークを通し、丸井先生より駆除方法の手順、効果などの詳しい説明がありました。雨が降りしきる中でしたが、参加者から積極的な質問が飛び交い、実りのあるフィールドワークでした。
フィールドワークから戻り、最後に淡路島ソーラーファームの岡本様より「お婆ちゃんの畑、私の田んぼも隣にあり、農業被害に対して強い危機感を持っている。淡路島では、まだ本田池で収まっているので、何とかここで抑えたい」というお話があり、また、エコロジー研究所の丸井さんから、「世界で完全駆除に成功した例がないというほど凶悪なナガエを根絶する歴史的第一歩を目指しています。そのためには人手が必要です。駆除活動への参加を是非お願いします」というお話でセミナーが終わりました。
その後、IVUSAの学生と卒業生はエコロジー研究所の方々が集まる座談会にお招きいただき、駆除活動の当日の流れを確認しました。またその座談会では、ナガエに対する特別な思いを語ってくださり、地元農家さんよりわざわざ淡路島に来てくれてありがとうと温かく迎えてくださりました。
このセミナーに参加したきっかけは、2021年4月の新聞に本田池がナガエによって困っているという記事を見つけ、びわ湖や鴨川で同じく外来水生除去活動に力を入れている団体として何かできないかと思ったからでした。地元の方々は高齢で、人手が不足しています。そんな時こそIVUSAの強みであるマンパワーを活かし、本田池からナガエを完全駆除するお手伝いをしていきたいです。(同志社大学2年 小島 侑也)
本セミナーの模様が取材され、1月28日(金)読売新聞に本学生のインタビューも掲載されました。